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チューリップ

「小人の世界」


西日がジリジリと

肌を照りつける

しゃがんで木陰に腰掛けた

横に視線を移すと

そこに広がっているのは

小人さんの世界



私たちよりずっと

この世界が大きく広いことを

知っている

きっと毎日がドラマみたいな

日々を送っているのだろうと

なんの変哲もない日々と重ねて

少し、顔色が陰った



すると、子供と1人の女の人が

手を繋ぎながら

同じようにしゃがみ込み

こう言った。

「小人しゃん。みちゅけたい。」

「そうだねぇ、
なっちゃんは小人さんより
大きいから見つけられるかもしれないね。」

その声を背に私は歩き出した。

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