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#4 必ず手に入れたい「名刀」3本 

 夕方見た記事にちょっぴり凹んで、noteをやめようかと思い悩んでいました。いざnoteを開くと、「いいね」がついたとの通知。少し元気になりました。厳禁なものです。ありがたい。

 さて、前号で「アイテム」と称した本ですが、「これは武器になった」という本を書いてくれた著者が3人います。一つは新卒の頃に出会い、今日までそのイズムは生きています。まさに不易。同業の方にはちょっとベタすぎるネタですが、この3人の本を読めば、新卒のあなたもきっとレベルアップできる。そう確信しています。あ、最後の1冊だけは、1年目ではなく2年目以降に読んでください。


1.向山洋一氏「法則化シリーズ」

 「授業の腕を早く上げるには?」と問われたら、間違いなくこれ。向山洋一先生の本を読むべきです。向山洋一先生を中心とした「法則化運動」は、戦後教育に一大ムーブメントを起こしたと言っても過言ではありません。再現性が高く、かつ理論に裏打ちされている実践は、瞬く間に全国に広がりました。教師の言葉を極限まで削って子どもに問う方法は、時に「機械的」「冷たい授業」と批判もあるかもしれません。しかし、氏の教育に対する情熱は、『授業の腕を上げる法則』『子供を動かす法則』『続・授業の腕を上げる法則』を読めば明らかです(いずれも絶版。古本屋で見かけたら即購入しましょう)。私にとっては、手にした瞬間百人力を得た心地でした。じゅぎょうくえすと風に例えるなら、聖剣エクスカリバー!
 ただ、記された時期が時期だけに、その言葉を令和の今もそのまま使えるかと言ったらそうではありません。強い武器だけに使いどころを考えて、といったところでしょうか。

2.野口芳弘氏「鍛える」シリーズ、「作法」シリーズ

 向山洋一さんに「概論」を教えてもらった私は、各論で野口芳弘先生に出逢います。『授業で鍛える』『教師の作法』は他の追随を許さない名著です。中でも、『授業で鍛える』は感銘を受けた一冊でした。授業は「教えるもの」と思っていた私にとって、日々の授業の中で子どもたちを鍛錬していくという視点は、それまでなかったものでした。一つ一つの関わりが、子どもたちを成長させていく。だから、教師も手を抜かず、真剣に向き合わなければいけない。そうして鍛えていくことで、心も、体も、授業に耐えうる子どもになっていく。教師も自ら鍛えられる。好循環です。向山洋一氏がエクスカリバーなら、野口芳弘氏は「名刀政宗」。日本刀のような切れ味するどい一閃は、自然と自分を律してくれることでしょう。

3.中村健一氏「ブラック」シリーズ

 「向山、野口ときたら、有田だろ!」とお叱りを受けるかもしれませんが、あえて中村健一先生を推したい。その理由は「今も現場で働いている」ということです。レジェンドたちの金言も、確かに力になります。しかし、教師に求められることが多くなった今だからこそ、現場で生まれた「生き抜く術」には価値があると思うのです。「情熱だけでクラスは回せない」という帯に始まる『ブラック学級経営』は、ある程度の経験を積んだ教師なら頷きすぎて首が痛くなること間違いなし。中堅、ベテランの先生にこそ読んでほしい、そんな本です。
 ブラックの名を冠しているだけあって、腹黒な策略が目白押しです。バレてはいけない取り扱い注意がたくさんありますので、剣に例えるなら「妖刀村正」。もちろん私は、この妖刀の虜です。

 いかがでしたでしょうか。自分でもちょっと恐れ多い記事だとは思いますが、間違いなくおすすめできますので、ぜひ参考にしてください。

2023.8.30 あーる

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