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教師のリアル 〜本気の就職相談〜 6


3.教師の仕事 担任外編

 さて、いよいよ私の今の仕事について語る段になりました。このブログを始めたきっかけは、もちろん「先生になる人が少なくなっている」という事実と、「なったはいいが、3年以内に辞めていく人たちが多くなっている」という実感からでした。前から記していた1.お金編と2.担任編については、主にこれから教員を志望するであろう人へ向けて、「こういう仕事もあるからね、心の準備をしておいてね」というメッセージでもあります。「そんなの聞いてないよ」とならないように。できるだけ主観を除いて書いたつもりです。(主観を除いた結果、厳しい現実だけを突きつける記事になってしまったかもしれませんが、私は日々充実していて、楽しい仕事ライフを送っています。思い切り主観ですが、教師はいい仕事です。)

 ここからは、むしろ、今教師として働いている人に向けたメッセージになります。すなわち、「担任外」というポジションも、成り手不足であると言わざるを得ません。残念ながら、学校現場は「担任」だけでは動かすことができません。学校によっては、「担任、養護教諭、管理職」という小さな職場もあると思いますが、ここに担任外が加わることの「良さ」もあります。(もちろん、学校現場には用務員さんや事務官さん、公務助手さんなど教員でない方も欠かすことができませんが、ここでは「教員」に話題を絞っています。ご了承ください。)
 担任に比べて、担任外は職場による仕事の差が大きいと思います。概論に寄った担任編とは異なり、具体論になってしまうことも併せて断っておきます。

○教務主任という仕事

 まず、現在の私が担当している仕事を挙げていきます。


  1. 年間行事予定の作成

  2. 学年カリキュラムの素地を作成→担任へ依頼

  3. 各分掌からの職員会議の議題をまとめ、資料を作成(PDF)

  4. 臨時職員集会の司会

  5. 始業式、終業式、入学式、卒業式の司会

  6. (月例の)教育委員会への報告文書の作成(主にExcel)

  7. (月例でない)教育委員会や自治体への調査文書の作成

  8. 転出入家庭への対応

  9. 転出入に関わる公文書の作成、送付

  10. 私立中学校入試に関わる文書、情報の窓口

  11. 教科書配付に関わる事務手続き、文書作成

  12. PTA役員との渉外、PTA事務局長として会議の資料作成

  13. PTA行事の運営補助

  14. 出席簿、指導要録等公簿の管理

  15. 通知表レイアウトの作成、提案

  16. 校外学習(宿泊学習、修学旅行、現地学習)の引率

  17. 外部講師など出前授業のコーディネート

  18. 全国学力学習調査の回収・提出窓口とその結果分析

  19. 全国体力・運動能力調査の回収・提出窓口とその結果分析

  20. 校内で採用した学力テスト、知能テストの回収・提出窓口

  21. 学力テストの結果分析

  22. 貸切バスを伴う校外学習の場合、業者との渉外(見積もり依頼含む)

  23. 修学旅行の原案を作成(その後、6年担任へ引き継ぎ)

  24. 各種行事で「総務係」として行事部の進行を補佐

  25. 各学年から上がってくる「年間使用教材」を集約→業社へ発注

  26. 教材費や行事費を業者に支払うための書類の作成

  27. クラス替えのためのExcelシート作成(作業は担任)、相談

  28. 「小中一貫した教育」の実務担当者として(外部の)会議に参加

  29. 校内の生徒指導担当として(外部の)会議などに参加

  30. 危機管理担当として、避難訓練を所管(企画、運営)

  31. 学校関係者評価に関わって、職員、保護者、児童へのアンケート作成

  32. 上記アンケートの集約、分析

  33. プール学習時の監視員(塩素調整や温度管理含む)

  34. 担任が休みを取った時の補欠

  35. 6年生の社会科専科指導


 ご覧いただいてわかるように、32番まではほぼ「大人」が相手の仕事です。33以降から、やっと子どもの顔が見え始めて、という感じ。おそらく、この仕事が敬遠される一番の理由はここにあります。子どもたちとの関わりを「楽しい」と感じて教師になったのに、なぜそこから遠ざかることをしなければいけないのか、と。補欠や専科指導がなければ、ほぼ職員室から動かなくても(動けない、という場合もありますが)仕事ができるのですから。また、教務主任は複数学級の担任から任命される学年主任と給与体系が同じです。「同一賃金、同一労働」という言葉がありますが、全く当てはまりません。ここも成り手不足のネックかもしれません。

 しかし、「学校を動かしている実感」は大いにあります。年間行事予定や通知表など、要所で出てくるこういった業務は学校の「屋台骨」といっても過言ではありません。これは、管理職でも味わえない感覚だと思います。かく言う私も、ここにやりがいを感じて今日まで働いています。

 さて、担任外(特に教務主任)の仕事を書いてきましたが、次回は現在私が思っている担任外の「良さ」や問題点を提起しようと思います。また、これから担任外になろうとしている方へ、またはなっている方への提言もしていきます。

2023.8.10 あーる

0.はじめに 
1.教師のお金 
2.教師の仕事 担任編 
3.教師の仕事 担任外編 ←今ここ
4.教師の仕事以外
5.おわりに

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