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借地権の相続について

今回は、相続財産に借地権が含まれている場合についてお伝えします。
 
借地権の相続は全国的にはそれほど多くはありませんが、東京などの一部の地域では、借地権の相談も意外と多いのが現状です。「勘違いをしていた」「知らなかった」ことにより、思わぬ問題にもなりかねませんので、ぜひ知識として最後までお読み頂けますと幸いです。
 
そもそも借地権とは何でしょうか?
「聞いたことはあるが、詳しくはわからない」という方が多いようです。
 
借地権とは、
「建物を所有することを目的として他人の土地を地代を支払って借りる権利」
のことです。
 
建物の所有を前提とし、駐車場など建物を所有しない場合は、土地を借りたとしても借地権は発生しません。あくまでも、土地の上に建物が存在することが借地権の絶対条件になります。
 
相続の例で言えば、被相続人(亡くなられた人)の財産の中に、借りている土地に建てた建物(被相続人名義)があったというケースです。
つまり、土地は地主が所有、建物は被相続人の所有となります。
 
借地権を相続する場合に、以下の3点を知っておくことで、トラブル回避になりますので、お役立て下さい。

①相続税法上の評価額
相続税の計算上、建物の評価額のみを課税価格(相続税の課税対象となる財産の価格)に含め、「土地は借りているので関係ない」「土地の相続税はかからない」と勘違いされる方が、けっこうおられます。
実は、所有している建物を相続するということは、借地権も相続することになるのです。
 
借地権の評価額は、土地評価額(路線価)×借地権割合(住宅地では6割~7割が多い)で計算され、土地所有者より高くなることも多く、課税価格が一気に上がり、相続税の対象になることがありますので注意が必要です。
 
②相続手続き
 通常は、建物の所有者名義を相続人に変更する手続きのみで問題ありません。
借地権の贈与や売却と異なり、地主の承諾は要りませんが、相続の事実は伝えておきましょう。
まれに、地主から賃貸借契約書の名義書換を求められることがありますが、必ずしも応じる義務はありません。
遺言書が残され、相続人以外の方が借地権を遺贈することになった場合には、地主の承諾が必要となります。承諾料が必要になるケースも多いので、早めに地主にご相談されるとよいでしょう。
 
③相続後の運用
 借地権を相続した後には、地主に対し以下の費用がかかります。
・地代
・更新料(借地権価格の5%前後が相場)
 ※借地権の契約期間は引き継がれます
・建替え、リフォーム、売却する際の承諾料
 
上記の他、維持管理費などもかかるため、上手に活用するか、又は売却を検討する方が多く見受けられます。
 
借地権は、契約期間が満了しても建物が存在する限り、借地契約が存続され、更新されることを法律で約束されている、とても強い権利を持っています。(定期借地権以外の借地契約)
 
借地上の建物が朽ち果てた場合でも、借地人が建物の再築を望んだ際には、地主の承諾を得た上で、建て替えが可能となります。また、地主の承諾を得ることによって借地権を第三者に譲渡することも可能です。
仮に地主が承諾を与えてくれない場合でも、裁判所に申し立てれば、許可を与えてくれます。
 
このように、借地権は半永久的に返還しなくても良い土地利用の権利であり、資産として一定の価値が認められているのです。

そのような中、相続人から「地主に借地権を返還したい」という相談をいただくことがあります。使い道が無いのに、地代を払い続けることが出来ないという理由です。最もなことだと思います。
 
この場合、返還する時期が重要になります。契約期間満了時であれば、借地権を買い取ってもらうことも可能ですが、契約期間の途中で解約する場合には、契約内容にもよりますが、建物を取り壊し(費用は借主持ち)更地で返還しなければなりません。
相続の際に、どれだけ期間が残っているかも確認しましょう。
 
もし、(更新時に)地主が借地権の買い取りを拒否される場合には、地主への承諾料はかかりますが、第三者に売却する方法もあります。
ただ借地権の売買は、一般の取引に比べて売買金額が極端に安くなることがありますので、少しでも条件の良い売買交渉ができるよう、複数の借地権買取り業者に相談されると良いでしょう。
※弊社でも、ご紹介は可能です
弊社は、1回2時間×2回迄、無料相談をさせていただいております。
 
・相続した借地権を地主に返還しようか、所有しておこうか迷っている
・借地権を手放したい
・相続した建物を建て替えたい
など
 
お気軽にご連絡ください。
 
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