人生と共に歩まぬ

胃の激痛や鈍痛は、繰り返し襲って来た。時には就寝時にそれは起こり、2時間以上唸っている日もあった。
 秀治朗は、小さい頃からのかかりつけ医に直ぐに行った。胃薬を処方しながら、いつも大丈夫ですよ。と薬王菩薩よろしく、その笑顔で症状が和らぐほど信頼し切っている内科医が、真剣な顔をして、消化器内科、あるいは心療内科に行った方が良いですよ。と伝えて来た。

不可解に思いながら、秀治朗は消化器内科に訪れた。問診、触診をした後、胃カメラを飲む日付けの予約と、チェックシートが渡された。
 朝が辛いが、夕方になると楽になる…こんな事が胃と何の関係があるんだ?と、思いながらチェックを始めた。ほぼ全てが当てはまり、驚いた秀治朗は、最近の胃の調子はこれで分かるのか〜と、感心していた所に、医師から告げられた。

直ぐに心療内科に行って下さい。うつ病の可能性があります!
…うつ病…それは、自分とは真反対の人間がなる病だと思っていた…しかし、これが、人生の半分以上を共にする病の名前になるとは、秀治朗はこの時、思いもしなかった。

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