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ほんとのきもち

「Sちゃんも抱っこしてほしいんだよね?先生知ってるよ」

お昼寝の時間、横になったり座ったり、なんだか落ち着かない様子のSちゃん。うつむきかげんだった彼女はその言葉を聞いてはっ!と振り向き私をじぃっとみつめました。下顎が少しふるえて…泣くのをぐっとこらえているのが伝わってきます。

「先生Hくん(6ヶ月)を抱っこしているから今は抱っこしてあげられないの。ごめんね。でも側にいることはできるよ。Hくんが眠るまで少し待っててほしいな。そしたらSちゃん抱っこしようね」

そう伝えるとごろんとよこになってくれたので、私はすぐとなりに座ってとんとん…しばらくするとうとうとと眠りにつきました。

食事の介助、お着替え、寝かしつけ…
給食からお昼寝に入ろうか…という時間の保育室は慌ただしい。
2歳児さんは園のなかでは一番月齢の高いクラス。先生もどうしても初めましての子どもにかかわることが多くなりがち。在園進級の子どもたちは見てはいてもしっかり関われない…というもどかしさを感じます。とは言え、Sちゃんもほんの数日前までは1歳児クラスだったわけで…そんなにいきなりお兄さんお姉さんになれるわけではありません。
「いわなくてもわかるよね?」「できるよね?」ってなりがち。だけど側にいる大人が子どもの思いや願いを感じ、『伝わってるよ』と言葉にしたり、『もしかして…』と感情を代弁してあげることはとても大事でとてもあったかい。こうやって関係性を築いていくと子どもから言葉にできることも増えていくように感じています。


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