【備忘録】人形町〜日本橋蛎殻町〜日本橋高島屋 ①
仕事に疲れ、
思いつきで京急に乗る。
横浜から特急で品川までは30分ほど。
途中川崎、多摩川を渡れば蒲田。
東京の下町を通り、
高架になりごちゃついた生活感のある街並みから、一転高層のビルが立ち並ぶ。
品川は建設ラッシュらしく、
コロナ前よりも更地の砂利が目立つ。
品川から泉岳寺より浅草線に乗り継ぎ、
人形町まで行く。
古くからある街並みに老舗の看板が目につく。
今はどこのデパートにもある今半や、酒悦
など昔からある店が並ぶ。
祖母が
まだ存命だった頃、
散歩ついでにこうした老舗まで買い出し、
わたしのためにコロッケや菓子を用意してくれた事を思い出す。
美味しい蕎麦が食べたい。
古くから街に根付いた庶民的な蕎麦屋に入り、温かい蕎麦を頂く。
濃いめのつゆは黒に近く、関西人からしたら
驚くようなダシも、昔風で美味い。
小皿に盛ったたっぷりのねぎを合間に入れ、
湯気の立つうちにレンゲと箸ですする。
腹ごなしに日本橋を三越方面に歩き始める。
蛎殻町はいつの間にか静かな街に変わっていた。
心なしか人も車も少なく、
すっぽりとテナントが抜けてしまった寂しげな
ビルが連なる。
色のないホコリだらけのガラスに、
色褪せたテナント募集の字が目立つ。
余程、借りるものがいないのか、
フロアリフォームは大屋もちの文言も気になる。
程なく行くうちに
三越の手提げ袋を持つ人と多くすれちがい始める。
道の先に三越が近いことを意味するように、
数人が馴染みの紙袋をさげて来る。
見慣れた三越の豪奢なビルが出てくれば、
一点、日本橋のど真ん中だ。(続く)
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