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仕事を複数もつと、人生がやわらかく進化する。

娘の結婚を機に、ひとり暮らしになった。
終の住処ではないが、
間取りにはこだわった。

とにかく第一条件は、
ワンルーム!この一択である。

郊外の比較的安めの土地に大きめの部屋。
そこを家具の配置でいかようにも
変えて住んでいく。

もちろん生活インフラは固定だが、
季節や自分の生活スタイルによって
間取りのレイアウト変更を自在にできるのが、
ワンルームの利点である。

ここまでこだわったのにはふたつの理由がある。

ひとつはわたしの仕事だ。

娘が社会人になったタイミングで
本職はセミリタイアした。
二十年近くバカみたいに働いてきて
疲れたのもあるし、
何より、できれば楽をしたいというのが本音。

ラッシュも嫌いだし、
社内調整や、取引先のゴタゴタも
もうお腹いっぱい。
とはいえ、暮らしていくだけの「軍資金」も必要なので、軽くは続行した。

その空いた時間で
主にふたつの仕事をはじめた。

資料や調べものが必要な仕事と
材料や作業場が必要な仕事。

どちらも効率的に進めるには、
家の間取りを自在に変えられるのが良い。
居住スペースのほかに
仕事スペースを確保し、
時々、本職に行く。

明日からは
作業場を作り、本格的に家仕事のスタート。
年末まで、家の半分は資材が積み上がる。

仕事を複数持つのは、
心の安定には凄くいいと思う。

今の日本の仕事環境は
昔とは比べられないくらい
恐ろしく過酷になっていると思う。

ひとつ間違えばクレーム、
SNSでの批判。
仕事での人間関係も複雑。
諍いも多いと感じる。
互いに生活がかかっているので
どちらも引けず、より深刻になっている。

仕事が複数あると、
仕事上での人間関係が多様になり、
自ずといろんな人の考え方がインプットされ、
価値観の振り幅も大きくなる。

人への固執も薄くなり、
必然的に自分の心の負担が少なくなる。

わたしはかなり早い時期から
フリーランスで働きながらその事を学んだ。

あまり強靭でない精神力のおかげで、
どうしたらうまい具合に生き抜けるかを
さぐってズルく生きてきた。

離婚してからは
娘に3度の飯を食わせていく必然性から、
さすがに危ない橋は渡らなかったが、
60を目の前にして
少しは別の世界や知らない世界も
人生の終活として見ておきたい気持ちもある。

間取りのように自在に変化できるのは、
子どもが育ち上がった
人生2周目の我々年代の特権でもある。


因みに
ワンルームにこだわるもうひとつの理由は、
こどもの時育った家が
そうした造りだったからだ。

そういえば、
父も間取り同様、人生を自分なりに変化していった達人であった。

今年88歳になる父は、
電話口で、いまだに忙しそうにしている。
何をやっているのか、
毎日実に楽しそうである。

仕事を時々頼まれるらしいので、
ちょっと本人も満更でもない様子だ。

おかげで死ぬ事を
ちょっと忘れている。

そして相変わらず模様替えとインテリアには
こだわりまくって生きている。


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