【3度目の正直】いつになったら受かるのか
3度目だぞ
ちいかわは現在、草むしり検定5級合格にむけて猛勉強中である。
受験シーズンも間もなく終わろうかというこの春先に、彼は試験合格の夢にうつつを抜かしている。
うつつを抜かしているとはいえ、これは自信のあらわれであるとも言える。練習問題は全問正解するまでにいたっているのだ。ちいかわの成長は国民が見届けてきた。
試験には過去に2度挑戦しているが、残念ながら不合格だった。3度目の正直である今回は流石に期待がもてそうである。
試験に合格できるかどうかを考察する前に、まずは他のメインキャラたちの現状と比較してみる。
それぞれの成長
ちいかわの試験勉強と並行して、最近ではメインキャラたちの成長していく姿も描かれることが多くなってきた。
ハチワレ×ラッコ
ハチワレは、かねてより「強くなりたい」という願望を漠然と抱いていた。
そんな折、討伐の上位ランカーであるラッコから、特訓の誘いを受ける。
ラッコの師事により、ハチワレは着実にたくましく成長していくことだろう。
シーサー×栗まんじゅう
「スーパーアルバイター」の資格者であるエリート、シーサーは「お酒の資格」を取得するために勉強を続けている。
普段は温厚なシーサーだが、誰の目から見ても明らかなように、彼は内なる炎に燃える努力家である。
加えてコミュニケーション能力もちいかわ族屈指の高さを誇り、自ら栗まんじゅうに教えを請うた。
地頭の良いシーサーなら必ず合格できるだろう。ソムリエがついているので何の心配もいらない。
モモンガ×カニ
元でかつよであるモモンガは、小さくてかわいいやつに憧れを抱いている。可愛くなるために、観察と実践に心血を注いでいる。言うなれば「ちいかわ化」である。
「真似る」とは「学(まね)ぶ」ことであり、たとえ元々が紛い物であろうとも、それが本質に到達することもありうるのだ。
そして古本屋を営むカニと親しくなり(?)、モモンガはこれまで以上に、ちいかわ族としての価値観や倫理観のなかに溶け込んでいくことになる。
おそらくモモンガにとっては、「友情」や「優しさ」といったものが芽生えるかどうかが、「ちいかわ化」における最後の試練であろう。それさえ乗り越えれば、通常のちいかわ族となんら変わらない……
この漫画の第1巻、1ページ目の一言目は、
『こういう風になってくらしたい なんか小さくてかわいいやつ』である。
モモンガが影の主人公であることは言うまでもない。
でかつよ×あの子
モモンガがちいかわ族としての人生を歩んでいくことは、喜ばしいこととは言い難い。その身体の本来の持ち主は、でかつよとして生きることを強いられているからである。
彼は奪われた身体を取り返したい一心だが、どうしたら良いのかわからない。
そんな絶望の日々の中で、ついにあの子と出会ってしまう。
「戻りたくても戻れない」でかつよ
「戻りたくない」あの子
あの子に導かれ、でかつよはでかつよとしての楽しさを知っていく。
望むと望まざるにかかわらず、でかつよもまた次のステップへと進もうとしている。それでもやはり「戻りたい」が願いだろう。最も叶うべき願いである。
ちいかわは……
上に述べたキャラクターたちの共通点として、自分がこうなりたい、こうしたいなどの願望を、他の誰かから学んでいることがわかる。それも必ず二人一組で。
試験勉強に懸命に励むちいかわだけが、師となる存在がいないのである。
ハチワレはたまに練習問題の採点をしてくれるが、現在は特訓に力を注いでおり、それをちいかわも察して遠慮してしまっている。
「自分が遅れをとっているから」と思っているのだろうが、本来ちいかわがここまで自分を追い込む必要はないのだ。
なぜなら、上に述べたキャラクター各々の努力と、ちいかわの努力には決定的な違いがある。
・ハチワレは強くなるため。
・シーサーは師匠と酒を飲むため。
・モモンガは可愛くなるため。
・でかつよは元に戻るため。
ちいかわは……
友達のため!
ちいかわが意を決するとき、いつもそれは自分のためではなく、友達のためである。
重要なのは草むしり検定に合格することではなく、友達と幸せに過ごしたいという思いである。友達のためなら合格するまで諦めないだろう。つまりいつかは必ず合格する……いつかは……
ハチワレはラッコ、
シーサーは栗まんじゅう、
モモンガはカニ、
でかつよはあの子、
ちいかわにも頼れる存在がいれば、もっと早く効率的に勉強できそうなものだが……
明らかに適任なヤツが余っている。
そして最新話(2023/03/03)
いる。
いろいろとそれどころではない気もするが、全てを任せられるような安心感がある。
うさぎは、ちいかわの最初の友達なのだ。
「草むしり」も「にらめっこ」も、全部うさぎが引き受けてくれるだろう。
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