マガジンのカバー画像

日記・エッセイ

71
日々の日記、または過去のエッセイ。
運営しているクリエイター

#夢日記

エッセイ#55『千葉ポートタワーの夢』

 自分が実際に見た夢をまとめた『ほんとにあった夢十夜』という文章を何本か綴ってきたが、つい先日、その仲間に入れる程でもない夢を見た。  夢の舞台は千葉市のランドマーク「千葉ポートタワー」である。千葉県の人口500万人突破を記念して建てられたタワーで、なんと大人は420円で上れてしまうらしい。良心的だ。  その名前の通り海のすぐ側にあるのだが、夢の中では本当にギリギリ海に届くか届かないかくらいの場所に建っており、きっと潮の満ち引きとか風の強さによっては、完全に海水に浸かってしま

エッセイ#45『ほんとにあった夢十夜⑥』

 地元の大通りで何かが催されているような気がしたので、散歩ながら行ってみると、何やら急に一人称視点に切り替わった。画面の右下には残り時間と共に、毎秒200円ずつ増えていく賞金が表示されていた。  どうやら「逃走中」が始まったようだ。  私はひたすらに逃げた。賞金欲しさと言うよりは、せっかく参加してしまったのだから、どうせなら逃げ切って見せようという「勿体ない精神」のためである。  しかしながら、どこまでが行動可能範囲かはわからない。それにハンターが追って来る気配がないし、他の

エッセイ#44『ほんとにあった夢十夜⑤』

 こんな夢を見た。  その理由は恐らく寝坊かと思われるが、私は古本屋のアルバイトに遅刻をしてしまった。今まで無遅刻無欠勤を守り通してきたが、アルバイト3年目にして初めてこのような失態を犯してしまった。  アルバイト先である店舗は、自宅から自転車で30分程の所にある。しかしながらその時の私はなぜか、徒歩での出勤を試みてしまった。特に焦っている様子も感じられない。  過去に自転車に乗る夢を見たことがないことからも、もしかすると私の夢には自転車が存在しないのではないかと予想される。

エッセイ#43『ほんとにあった夢十夜④』

 広い荒野の真ん中に、私は独りぽつんと立っていた。  まるで『北斗の拳』の世界を再現したかのような土地に、訳もわからず立ち尽くしていると、突如として大量の昆虫が現れた。ムシは苦手だ。特に、芋虫や毛虫、ムカデやヤスデなんかは、その文字を見ただけで虫唾が走る。  しかしその昆虫の大群は次の瞬間、またしても突如としてやって来た屈強な男達によって捕獲されてしまった。私は思わず「助かった……。」と安堵の声を漏らしたが、これで終わりではなかった。なんと男達は、彼らの手に握られた昆虫を舌で

エッセイ#40『ほんとにあった夢十夜③』

 こんな夢を見た。  私はなぜかラジオブースにいた。どうやら朝のラジオ番組の生放送らしく、ブース内には朝特有のゆったりとした空気が漂っていた。  この空間において、私の立場はラジオパーソナリティでもゲストでも、はたまた放送作家でもない。ただただそこにいるだけで、動くことも話すことも出来なかった。こんな不自然な状況なのに、目が覚めるまでは夢だと気付かないのは一生涯の謎である。  私の隣には日替わりのゲストが座っていた。そこにいたのは、某女性アイドルの”I”である。彼女は私と同

#21『ほんとにあった夢十夜②』

 こんな夢を見た。  ある夏の日の夜のことである。気が付くと私は肝試しの準備をするために、真っ暗な土手の上を歩いていた。この場にいるのは私だけではない。農道と土手を結ぶコンクリートの階段を、帽子を被った幽霊達が昇り降りしている。どうやらこの肝試しのミッションは、この帽子幽霊に触ることらしい。  私が階段の下見をしていると、いつの間にか本番が始まってしまっていた。早く退かなくでは参加者に迷惑が掛かってしまう。私は急いで階段を降り、田畑の方へと向かった。その最中、すれ違う人々が皆

#17『ほんとにあった夢十夜①』

 こんな夢を見た。  腕組みをして小劇場の座席に座っていると、突如として現れた男性2人組が、サンパチマイクの奥で奇怪な動きの芸を始めた。  片方は顎に髭を蓄えており、もう片方は太い黒縁の眼鏡を掛けている。髭の男はコミカルな動きを交えつつ、何やら面白可笑しな話をしている。一方で眼鏡の男は、持ち前の鼻に掛かった甲高い声で、可笑しな点を訂正している。このことから髭の男が「ボケ」、眼鏡の男が「ツッコミ」であることがわかると同時に、この場がオリエンタルラジオのライブ会場であることが理解