起業1年目。起業で支払った代償。
こんにちは。
土地売りボーちゃんです。
自分の人生で起きた事実を、
言語化して残しておこうと思って
書いた記事が、
意外にも多くの方に見てもらえていて、
嬉しく思います。
さて、今回は
僕が起業した時のお話しを書きます。
サラリーマン卒業。そして旅人へ。
僕は、社会人2年目を終えるタイミングで、
退職をしました。
そして24歳で起業しました。
起業までの約3ヵ月間に、日本一周の旅をしてきました。
ベンチャー企業で営業成績No.1だった僕は
退職前のインセンティブで150万円程のお金が入ったので
それを手元資金に、車で旅に出ました。
ちなみに、プリウスで、日本一周しましたが
ガソリン代は、当時7万円程でした。
(ほぼ全て下道)
日本中の街・不動産を見てきました。
行く先々の街の坪単価を確認し、
僕の地元より地価が安い街では、
肩で風を切って歩き
高い街では、ひっそりと旅をしていました。
自営業の厳しさ。
旅を終えた5月頃には、2か月程の生活費が全財産となっていました。
実家に戻らないとまずいレベルの貯金でしたが、
縁もゆかりもない、小さな街に引越しました。
30万弱の全財産を元手に、この知らない街で起業することを決意しました。
とはいうものの、免許業でもある不動産業をいきなり開業することは
資金的にも困難だったので、
まずは、コンサル業として始めました。
24歳・業界経験2年。
こんな経歴の小僧に当然コンサルの仕事など来るはずもなく
ひたすらに飛び込み営業をしておりました。
しかし、そんなことでお金は入るわけもないので
日雇いの仕事をしながら、なんとか生活をしていました。
高速道の除雪車に、真夜中塩を入れる仕事。
ゴミ屋敷の片づけ。
測量の手元作業。
事故物件の清掃。
今でこそ、自分が業者に振るような仕事を
作業員として、働いてました。
そんなとある日、3通の手紙が届きました。
開けると、パンパンの納付書でした。
・国民年金:20万円
・健康保険:25万円
・住民税:30万円
住民税及び国民健康保険料は、
前年の収入で計算された金額が
翌年春頃に来ます。
そんな事知るはずもない、ボーちゃんは旅でお金を使い果たし、数カ月生きる為のお金しか残していなかったのです。
全財産30万円。
家賃6万。
支払催促75万。
詰んだ。
ボ。
完
人生初、本当の媒介物件
とはいうものの、
税金関係は一括ではなく分割での支払いが可能なので
市役所に事情を説明し、遅れながら支払っていました。
市役所の担当者も
「旅でお金使い果たしました!今は払えません!」という
僕の潔さに、笑って対応してくれました。
そんなとある日
日雇いの仕事でゴミ屋敷の作業員をやっていました。
聞くと、不動産屋がこのボロ家を100万円で買ったとのこと。
作業中に、その不動産屋の方がいたので
「これ、片づけてどうするんですか?」
と聞くと、ゴミをきれいにして売るよと返答が来ました。
そこで
「僕に売らせてください!」と頼み込みました。
意外にもすぐにオッケーの返答をもらいました。
「100万円で買って、ゴミ処理に少しお金かかったから、300万円で売ってきて」
これが自分という人間の力だけで取得した
人生初めての「媒介物件」です。
独立したての僕は、大きな勘違いをしていました。
・あの急成長ベンチャー企業で1位とってるから独立しても余裕っしょ。
・誰に文句も言われないし、最高の自由だ。
皆さん聞きますよね。
会社の看板があるから仕事があるんだぞ。
どれだけ大手でトップ成績を上げていても、独立したら失敗した。
でもね、
独立する人って、危機意識が低い人が多いんです。
そんな訳ない。自分の力だ!ってどこか思ってる部分があるんです。
だから独立するんです。
僕も類に漏れず、「俺ならいけるっしょ!」
のただ一心のみで
一つも装備がない状態で、独立という荒野へ足を踏み入れました。
そして、自営業の厳しさを痛感しました。
本当に仕事がない。
会社の看板があるから、広告費をかけてくれたから
お客様が来店し、僕はそれをただ決めてただけなんだ。
時間的な自由は出来たけど、
経済的に最高に不自由。
腹が減ったら、100円ローソンの巨大パン。
カップラーメンは不味くても
ふやかして、麺を多くして食べる。
そんな日々の中で獲得した
「300万円の媒介物件」
何としてでも、このボロ家を決めて
来月生きるお金を作らねば。
人間
飯が食えなくなるかもしれないという
状況下に身を置くと
本領というものを発揮するんですよね。
僕は、この300万円のボロ家を
330万円で買ってくれる買い手を見つけてきました。
その結果、この不動産会社の社長に気にいられ
仕事を定期的にもらえるようになりました。
名ばかりのコンサルだった
日雇いフリーターの僕が、
正真正銘のコンサルタントに一歩近づけた瞬間でした。
3,000万円台の取引が当たり前で
仲介手数料も100万円台がほとんどだったサラリーマン時代。
当時の僕だったら、相手にもしていなかったであろう300万円のボロ家。
そんな物件が、独立して苦しんでいた僕を救ってくれました。
起業で支払った代償。
その後もこの社長や新しく出会った方から仕事をもらい、
なんとか生活できる収入を確保できるようになりました。
ただ、不動産業は話をもらってから、手数料が入金されるまで
2ヶ月〜3ヶ月のスパンが多いので、3ヶ月間ほぼ無収入という時もありました。
そんな時は、お得意のゴミ屋敷清掃に励みました。
足の踏み場もないレベルのゴミ屋敷などへっちゃらで片付け作業ができた僕ですが、
今でも脳裏に焼き付いている物件があります。
それは、とある事故物件の清掃に入った際に
亡くなった方の形が床にくっきりと残っていた現場がありました。
この世のものとは思えない異臭を放ち、
しばらくごはんが食べられなくなりました。
体液って時間がたつと本当にとんでもな臭いを放ちますので、
皆様、どうか早期発見してあげてください。
そんな事はさておき、
プロ清掃員兼なんちゃってコンサルタントを
両立していた僕に
またも悲劇がやってきます。
それは、、、
歯です。
経済状況がよくないと、食べ物を始めとする、
生活用品の質が格段に下がります。
そんな生活を送っていると、粛々と蝕まれていくもの。
それが「歯」です。
僕の歯は、4本蝕まれていました。
20代で4本銀歯はやばい。
笑ったら銀歯がキラリ。
営業マンとして終わり。
ただでさえ胡散臭いと思われやすい
不動産営業マン。
微笑んだ口元で、鉱物が光った瞬間に、
話は纏まりません。
僕の起業1年目は、この失った「歯」を取り戻すために、ひたすら働き、
入った収入のほぼ全てをセラミックの歯と税金の支払いに充てた日々でした。
起業したい若者へ、一言。
これを見ている皆様
断言します。
独立して一番気を付けないといけないことは
「借金」でも「集客」でもありません。
「歯」です。
歯を直すのは時間とお金がかかります。
歯を大事にしましょう。
【夢を見て、失っていく、永久歯】
ボ
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