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「幸せな時間、姉と僕と時々IKEA。」


姉は長らく北海道で暮らしている。
頼りになる長女で、最も賢く優しい。

その昔、北海道大学に合格した。
しかし、家計を支えるため、そして弟の学費を貯蓄するために大学進学を諦め、高校卒業を機に就職した。

郵便局で10年間働いた後、貿易会社で10年間働き、大手スーパーでは20年間働いた。
北海道で生き抜く強さを身につけ、仕事の日々を懸命に過ごしてきた。

そんな姉が9月で退職した。
定年を選ぶより、節目を選んだそうだ。

新しもの好きな姉は、スターバックスが北海道に進出した1997年、スタバラテを飲むのに1時間も並んだ。
2011年の餃子の王将初出店の時は、餃子1枚を食べるのに2時間も並び歓喜した。
2013年ラーメン二郎では全部食べた!と勝ち誇っていた。

趣味はショッピング。
広大な敷地を有する倉庫型店舗でショッピングをするのが生き甲斐である。
生まれ故郷である北海道には「IKEA」がない。
インターネットで長年にわたり「IKEA」の情報を収集してきた。
北海道石狩新港に「IKEA」進出か?というニュースが流れてから約8年、切なる思いを抱えていた。

退職後、姉は夫婦での東京旅行を果たし、遂に「IKEA」に足を運んだ。
彼女のミーハーな心と長年の憧れが交じり、「IKEA」での買い物を思い存分に楽しんだ。
レストランでは営業時間終了まで長居した。 

ミートボールを食べながら「成城石井は成城にしかないの?」と真面目な顔をしながら聞いてきた。
どうやら「成城石井」が気になるらしい。

翌日は、世話になった義父の故郷である神楽坂周辺を眺めてホテルに戻り、2日後には帰省する予定だ。

姉は新たな挑戦に向けて、地元地域に根ざした社会に貢献するプロジェクトに取り組みたいと願い、エネルギッシュな一歩を踏み出し始めた。
これが、姉の北海道での新たな冒険の始まりとなる事だろう。


そんなエネルギッシュな姉は、間も無く還暦を迎える。




元気そうで良かった。
白い恋人をありがとう。
いつも気を遣わせてごめんなさい。
また会えるといいね。
いつまでも元気にお過ごし下さい。
東京に住んでる弟より。

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