見出し画像

JBA主催『Web3シェア研修』の第1回目の講師をさせていただきました。

はじめに

Project LUCKと書く人

Project LUCKメンバーの飯野です!Project LUCKというのは、株式会社マーキュリーの中で立ち上げたプロジェクトです。そのコアメンバーが日々、自分たちが学んだことや読者の皆さんとコミュニケーションをとりたいと思い、さまざまな記事を書いています。

今回のテーマ

JBA主催の「Web3シェア研修」の第1回目の講師として、飯野がお話しさせていただきました。この研修をやることにあたり、さまざまな学びがございましたので、つらつらと書かせていただきます〜


今回の内容はこちら!

↓↓↓目次↓↓↓



感想から。

今回の研修でお話しをするにあたり、僕自身も資料作りから様々な面で多くのことを学ばせていただきました。特に印象的に思うことについては、Web3またはブロックチェーン業界における課題についてです。

結論から言うと

  • この業界では知識が体系化されていない

  • 初学者に対して、ハードルが高い

といったことが挙げられます。これらの課題からProject LUCKをたてて運用していることもありますが、かなりこれは深刻な問題かもしれません。すなわち、誰しもが使えるような公平性といった思想のWeb3であるはずなのに、誰しもがわかるような簡単なものとなっていないと言うことです。

日常生活に取り込ませると言うのはかなり難しいことになります。しかし、これに立ち向かっているような活動は少ない印象に思います。そういった面では今回の研修は貴重なものとなったのではないかと思います。



Web3シェア研修とは?

おそらく、順番が逆かもしれませんね。
そもそも、Web3シェア研修とはなんぞや?です。

一般社団法人 日本ブロックチェーン協会(JBA)が主催の会員企業に属している人たちが各領域で持ち寄った研修を網羅的・体系的に学べる初学者向けの研修となります。

1コマ目:web3基礎概念とウォレット
2コマ目:NFTの基本と利用事例
3コマ目:DApps開発基礎
4コマ目:DeFiとセキュリティ
5コマ目:DAOとその仕組み
6コマ目:web3の法律とワークショップ

Web3シェア研修の全6回の講義テーマ
それぞれの講師についてはこちら

今回、2時間という講義の時間をいただき、第1回目の「Web3の基礎概念とウォレット」というテーマでお話しました。



◾️いかに点と点を繋ぐか?

>> この業界では知識が体系化されていない

と感想の部分でも書きましたが、ブロックチェーン1つとってもかなり複雑で何と何が関係あるのかなんて意外と説明が難しいと思います。

ブロック、トランザクション、ナンス、ハッシュ、マイニング、ノード、P2Pネットワーク、コンセンサスアルゴリズム、承認、検証、プール、UTXO、PKSHA、楕円曲線…

といったように言葉の羅列ができてもそれらがどこで関係性が生じ、なんの行為の中の一部となっているのかを理解することが初学者にとっては難しいと僕自身も昨年感じていたことです。様々な文献を読んでもどれもこれもなにをいっているのかわからなくなってきます。

これらのワード同士を繋げることを重要視して今回の研修は作成しました。ブロックの生成の流れ、取引の流れの中にブロックの生成はどうなっているのか?マイニングはどのような形で行われているのか?など。マイニングという言葉使わず、簡単にマイニングのお話しをしたりもしました。

その中でも、概要的な説明にはなりつつも、言葉同士がどのような場面で関係があるのかを把握することは頭の中での知識体系を作る上では重要だと思い、今回のような流れを持った説明を多めにしました。(ブロックの生成や取引の流れなど)



◾️いかにイメージを持ってもらうか?

>> 初学者に対して、ハードルが高い

こちらについてもハードルが高い理由は論理付けされているが、イメージが湧きにくいと言うことです。たとえば、ウォレット。

ウォレットでは基本的には、

  • ニーモニックフレーズ

  • 秘密鍵

  • 公開鍵

を持っています。ただ、これではあまり意味がありません。そこで今回は、同じような金融でなじみのある「銀行口座」に当てはめて、イメージを持ってもらいました。

研修で使用したウォレットについてをスライドを集約したものです

このようにして、伝統的でなじみのある金融業界のものと照らし合わせることで、イメージをしてもらえることができます。これに加えてハンズオンを行うことで、これらの重要性を理解してもらえたのではないでしょうか…??



◾️いかに概要的にするか?

これはデメリットもあるような書き方ですが、たとえば、ブロックチェーンという定義については様々な定義や解釈がありますよね。簡単に調べただけでも多くのものがあります。

ブロックチェーンの定義 1
  ビザンチン障害を含む不特定多数のノードを用い、時間の経過とともにその時点の合意が覆る確率が0へ収束するプロトコル、またはその実装をブロックチェーンと呼ぶ。

ブロックチェーンの定義 2
  電子署名とハッシュポインタを使用し改竄検出が容易なデータ構造を持ち、且つ、当該データをネットワーク上に分散する多数のノードに保持させることで、高可用性及びデータ同一性等を実現する技術を広義のブロックチェーンと呼ぶ。

JBA - ブロックチェーンとは より

Blockchain is a shared, immutable ledger that facilitates the process of recording transactions and tracking assets in a business network.
(日本語) ブロックチェーンは、ビジネスネットワークにおける取引の記録と資産の追跡のプロセスを容易にする、共有された不変の台帳である。

IBM - What is blockchain? より

Blockchain is a secure database shared across a network of participants, where up-to-date information is available to all participants at the same time.
(日本語) ブロックチェーンは、参加者のネットワーク全体で共有される安全なデータベースであり、最新の情報をすべての参加者が同時に利用できる。

McKinsey & Company - What is blockchain? より

ブロックチェーンは、プロトコルだとか台帳だとかデータベースだとか様々な言われ方をします。これは観点の問題にもなってきますが、Web3という世界でブロックチェーンが使われる理由としては、「トラストレスを実現するための技術」と今回しました。

なぜこのようにしたのか?そもそもWeb3は、信頼せずに済む/信頼する必要性すらないといった意味でトラストレスが使われます。これはweb2.0のプラットフォーマーが力を持ったことに対するアンチテーゼなどからきていますが、この思想からもそれを叶えるためにブロックチェーンという仕組みが作られたのであれば、概要的で思想的ではありますが間違いがなく、かつ、初学者にとってもなんとなくわかりやすいものになると考えました。



さいごに

Web3シェア研修の講師として採用いただきましたJBAの運営の方々に感謝いたします。それと同時に講義を受けてくださった方々にも何かしらの学びを持って帰ってくだされば嬉しい限りです。

また、今回このように人にどれだけわかりやすく伝えるのかを社内ですり合わせる機会なども作ることができ、一層、自分の理解も深めることができました。人に教えることがいい勉強だと学生時代に言われていたことを思い出します。

こういった活動を今後、Project LUCKの中でも行っていこうと思いますので、ぜひフォローをお願いいたします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?