理系専門家の学歴

 筆者は文系なので、理系の事情にはやや疎い。一応考えうる範囲で観測してはいるものの、やはり実際に研究室に所属していた訳ではないので、解像度は低い。

 今回は理系専門家にどれくらい学歴が関係あるかを調べてみたい。筆者はコロナ自粛期間にヨビノリに触発されて数学を勉強しようと思った時があり、何冊か大学教養レベルの数学書に挑戦したことがある。一応ちゃんとした本屋で買ったのでちゃんとした専門家と考えて良いだろう。

 見てみると、東大・東大・早稲田・早稲田・東工大・名古屋大・阪大・北大・福島県立医大という具合になった。見事に早慶旧帝以上だ。ただ一方で早慶旧帝以上であれば、それ以上の相関はなさそうだ。一般的に高校生が思い浮かぶ「頭が良い」概念と相関が高そうなのは数学なので、それ以外の専攻に関してはより一層相関は低いだろう。

 何となく、理系研究者は早慶旧帝辺りの学力が必要だが、それ以上はあまり必要ではないということになりそうだ。

 高校の段階で数学五輪などに出ている人物は大体が東大に合格する。筆者の周囲で数オリの予選を突破した人間は、医科歯科に行った者を除いて全員が東大に合格した。東大以外であれば京大だろう。18歳時点で理数系の能力が高い人間はやはり東大と京大が独占してしまうのだが、実際は早慶旧帝クラスが結構強いのである。

 理由について考えてみよう。東大に合格するのに必要なのは数学力はもちろんのこと、ほかの科目もバランスよく得点することだ。早慶旧帝の場合は少しバランスが偏っていても合格することができる。裏を返すと、得意科目に関しては早慶旧帝でも東大に匹敵することはよくある。また受験学力は瞬発力的な要素も強いが、数学者になる上ではそこまで高速な情報処理能力は求められないから、東大の優位は薄まるのかもしれない。あるいは東大生は進振りや同級生との比較といった余計な競争に気を取られ、「働きバチの原理」によって大したことが無くなってしまうのかもしれない。



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