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凶悪犯の高齢化?

 昨日、埼玉県蕨市で立てこもり事件が発生した。病院での発砲事件で2名が負傷し、男は近くの郵便局に移動し、そこで人質をとって立てこもっていた。犯人は数時間の籠城の末に逮捕された。

 逮捕された犯人はなんと86歳だった!ここまで高齢でありながらどこかから拳銃を入手して事件を起こす気力があったのか。犯人の動機は不明だが、途轍もない気力。体力である。人生の晩節を何を好き好んで汚してしまったのかは分からない。

 日本社会の高齢化を反映してか、最近は凶悪犯罪の高齢化も進んでいる。若者による犯罪は記録的水準に低下し、凶悪犯罪はオジサンばかりだ。令和の大量殺人事件のうち、京アニ放火事件の犯人は40代、北新地クリニック放火事件の犯人は60代だ。

 2000年代辺りまでは凶悪な少年犯罪が存在したが、近年はかなり少なくなっている。Z世代で死刑相当の犯罪を犯したものはいない。死刑囚で最も若いのは植松聖をはじめとした90年代前半生まれである。キレる17歳と言われた1980年代前半生まれは凶悪な少年犯罪を起こした最後の世代と思われる。凶悪犯罪は過去の遺物と化しているのだ。

 一方で以前では考えられなかった高齢者による凶悪犯罪は発生している。医学的に見ても今の高齢者は昔の高齢者よりも遥かに体力があるらしい。先日老人ホームで発生した79歳男性による100歳代女性への強姦致死事件は大きな話題になった。同じく今年発生した青森の5人放火殺人事件は92歳の男によって引き起こされた。男も火災によって死亡しているが、もし生きて逮捕されていれば死刑は免れないだろう。今のところ死刑相当レベルの事件の中では最高齢の犯行である。


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