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ヒロインだと思ったら、ヘロインだった

 恋愛とは不思議なもので、中高生から社会人初期辺りは異様なまでの関心を集めるコンテンツなのに、ある年齢からはむしろ言及されるのがはばかられるコンテンツである。若者の時は恋愛しか話題がないのかと思うくらいに興味関心を寄せているのに、結婚すると不要な心理機能となってしまう。なんとも不思議なものだ。

 筆者は恋愛への関心が無い部類の人間だ。基本的に恋愛とは下らないものがと思っているし、そんなことよりも婚活した方が生産的だと思っている。不倫やら三角関係やら、トラブルの元だ。折角知的生命体に生まれたのだから、動物でもできる生殖行為よりも、もっと高尚なテーマについて思索するべきだ。このように考えている。

 この主張は実はウソである。筆者にも恋愛感情はあったし、それどころか燃え上がって止まらなくなったこともある。ブログのようなところで恋愛について語るのも恥ずかしいのだが、黒歴史を精算するという動機もあって、筆者の恋愛について語りたいと思う。

 とある親友に「イブリースが好きになる女性って判で押したように同じ顔と雰囲気をしているよな」と言われたことがある。自分では自覚していなかったが、結果として確かにそうだった。筆者は後藤真希や板野友美のような派手な系統が好きだという自覚があったのだが、実際の恋愛ではちょっと違ったタイプが好きだったようである。

 で、筆者が好きなタイプの女性が揃いも揃ってどんな見た目をしているかというと・・・











 恐ろしいくらいにこんな感じの見た目ばっかりなのである。

 どうにも頂き女子りりちゃんは筆者にとってドンピシャのタイプの女性のようなのだ。

 筆者は以前、地雷型INFPについての記事を書いた。

 これは筆者の実体験を踏まえている(もちろん筆者以外の実体験も踏まえている。結構この手のタイプは出没する)。なので、結構な割合で自信への戒めと、感情の高ぶりが反映されている。書きながら過去の色々な黒歴史が思い返された。あまりの恥ずかしさに心の奥底に封印していた思い出だ。筆者はどうにも地雷系INFPにはめっぽう弱く、理性が吹き飛び、寝食を忘れるレベルでのめり込んでしまうようなのである。

 S型の場合は良くも悪くも常識的なので、人間との距離感は普通である。ところが、INFPは自他の境界をちょっと踏み越えるところがある。INFPの半分くらいはそういうところがあるのだが、地雷系INFPも例外ではない。(一応断っておくが、地雷系INFPはINFPのうちほんの一部である)

 他のタイプであれば自他の境界をいきなり踏み越えてくるタイプは怪しいとすぐに分かるのだが、INFPはもともとそういう性質があるので、ウソを付いているようには思えず、ついつい親しみを感じてしまうのである。

 筆者はそういった地雷系INFPの人懐っこいところに即座にハマってしまい、目の中がハートマークばかりになってしまった。地雷系INFPの特徴として、出会って早期に哀れな身の上話をするというものがあるのだが、筆者はそういった内容に同情心を感じてしまい、どんどんのめり込んでしまった。(アニメキャラで例えるなら、エルフェンリートというアニメのルーシーとかナナを見ている気分である)

 地雷系INFPはポエミーな雰囲気がある。筆者も恋愛モードになるとそういうモードに入ってしまう。「身を焦がす恋に焼かれ〜」などとわけのわからないポエムを考えていたこともある。「私と一緒に地獄に落ちよう❤」と誘われたら喜んで付いていくだろう(なお、地雷系INFPは結局地獄に行かないで他の男に行くことが多い)。

 筆者にとって地雷系INFPは麻薬のような存在であり、一度ハマってしまうと自力では抜け出せない沼だった。地雷系INFPに他の男がいることを知っていたといても、やめられないのだ。幸い、友人の助けでなんとか抜け出せたものの、本当に気が狂っていた。あの頃はかなり破滅的だったと思う。

 どうにも筆者の恋愛感覚は元から狂ったところがあるようである。筆者は普通の恋愛ドラマを見ても何も面白さを感じないのだが、唯一恋愛にドキドキしてしまった作品がある。それは東野圭吾の「白夜行」である。白夜行のヒロインはINFPでは無さそうだが、筆者はあのような破滅的な恋に魅力を感じてしまうようなのである。冷静に考えて狂っていると思うが、やっぱりドキドキしてしまうのである。

 地雷系INFPにハマって頭がおかしくなっている時、筆者の頭に浮かんでいた願望は一緒に破滅することだった。筆者の夢は相手と一緒にボーイング787をハイジャックしてブルジュ・ハリファに特攻することだった。なんて美しく、破滅的な終末だろうか。永遠に満たされぬ恋の結果、地獄に落ちるのだ。おかしいのは相手を不幸にしている、この社会の方だ。相手はこんなにピュアな心を持っているのに、残酷な現実によって傷つけられ、苦しんでいる。自分の弱さ故に、相手を救うことはできない。それならいっそのこと、みんなで散華すればいい。死は最高の救済なんだ。

 911テロでツインタワーに突入した二機の犯人は同性愛の関係にあったという噂がある。二人はハンブルクの大学で知り合い、一緒にアフガニスタンに渡り、一緒に飛行機学校に通い、9月11日の朝も空港で最期の言葉を交わした。二機目の犯人からは炎上する北棟の黒煙がはっきりと見えたはずだ。愛する人と華々しく散り、地獄で再開する。これは相手を不幸にした社会に対する、やけっぱちの反抗だ。そして、そこに自分も組み込まれてお供するのだ。なんて理想の死に方だろうか。

 筆者はまだ18歳だったので、本気でこうしたことを妄想していたのである。

 今から思い返しても本当に狂っていたと思う。これって普通の恋愛感覚なのか?他にも熱い想いを表したポエムは大量にあるが、思い出すだけで恥ずかしさで爆死しそうなので、書かない。やけ酒しながら「もし君に一つだけ強がりを言えるのなら〜もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対〜」と絶叫していた黒歴史もある。マッキーだけに末期である。

 あれから結構な年月が経った。筆者は恋愛をとっくに放棄しているし、そうするべきだと考えている。まともな恋愛などできそうにない。筆者が地雷系INFPに対して否定的なのは、自分に対する戒めもある。今目の前に地雷系INFPが現れたら、本当に断れるかもわからない。これほどまでに教訓を得ているのに、本当にその理性を保てるか、自信がないのである。


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