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<MBTI>生きづらい性格ランキング

 16タイプに関する記事でよく見かけるのが「生きづらさ」だ。確かに生きづらさの答えを見つける方法として、人間考察に頼るというのはかなり一般的な逃げ道なのかもしれない(特にN型)。今回は各タイプの生きづらさについて私自身の経験と知見に基づいて発表していこうと思う。

ラクラク生きられるタイプ

第16位 ESTP

 おそらくESTPは最も生きづらさを感じにくい性格タイプだろう。自粛生活を余儀なくされる、といった特殊なシチュエーションを除き、ESTPは人生で生きづらさを感じる機会は少ない。通常通りに人生が進んでいる限り、ESTPは常にハッピーだろう。

 ESTPは社交的で陽気だ。小中学校では大体「陽キャ」のポジションだったと思われる。常にカーストは上位で、交友関係もそれなりに広かったはずだ。人との関わりを苦にすることがなく、集団行動も得意だろう。

 ESTPの真価が発揮されるのは働き始めてからだ。ESTPはエネルギッシュでしかも鼻が利く。ESTPは実務能力が高い人間が多く、チャラチャラした外見とは裏腹に資格試験系にめっぽう強い。実務能力的な頭の良さが優れているのはNT型よりもST型だからだ。ESTPの頭の良さはなかなか学生時代には実感しにくいが、社会に出ると露骨である。かの河野玄斗氏もESTPらしい。司法試験の短期合格者としてはありがちなタイプである。

 また、ESTPはモテる。結婚生活に向いているかは置いといて、垢抜けた外見と社交的な性格から、かっこいいと思われることが多い。そうでなかったとしても、持ち前の押しの強さでどうにかする。ここにもESTPのエネルギッシュさが出ている。

 しかし、ESTPの最大の売りはその精神性かもしれない。ESTPはE型の例にもれずストレス耐性が強く、しかもT型なので対人ストレスを感じにくい。ESFPが人に気を使う陽キャとすれば、ESTPは思うままに行動する陽キャだ。生まれもった才覚が運良く社会生活上有利なので、彼らは思うままに行動することができる。彼らは生きやすさという観点では最強なのだ。

第15位 ESTJ

 ESTJは最強の社会人だ。上下関係に厳格で、集団適応能力が高く、その上勤勉だ。組織のために身を粉にして働くことを辞さない。就活で一番重宝される。いわゆる「体育会系」である。

 ESTJは小中学校では概ね陽キャの分類であることが多い。不良グループというよりは一軍にいる部活ガチ勢という系統だ。ESTJは大抵がスポーツをガッツリやっている気がする。このような人物は小学校から大学まで健全な人物と目され、学校側からの受けは良い。ESTJはモテるし、社会人になったら結婚したいタイプの上位に来るはずだ。

 ESTJは組織社会への適応度が高いため、会社で働くことが苦にならない。一般人が勝ち組になる一番手っ取り早い方法は大企業に新卒入社することであることを考えると、この性質は非常に強い。仮に他の業界に進んだとしても、ESTJはすぐに集団に染まるので、難なく適応できるだろう。

 ESTJはT型特有の鈍感さにより、競争社会でストレスを感じくい。これはF型と比べて優位を産んでいる。中間管理職との相性もいい。T型は怒られる側にならなければいいが、F型は怒る側も怒られる側も嫌なのだ。

 そんな最強社会人のESTJだが、生きやすさはESTPに一段劣ると考えている。確かに彼らは責任感の強さを買われて重要な仕事を任されるだろうが、重い責任はしばしば大変な負担になる。J型の特性故にサボることができず、内に抱え込んでしまうこともあるだろう。責任を外されると、今度はESTJは燃え尽きてしまうかもしれない。定年退職後のESTJはやることがないのではないか。このあたりは好き勝手に生きているESTPとの大きな違いである。

第14位 ESFP

 僅差ではあるが、ESFPを第13位とした。ESFPはザ・陽キャだ。マイルドヤンキーはステレオタイプとして挙げられる。いつも陽気でいいやつだ。話も面白く、見た目も垢抜けている。全タイプで最もモテることは間違いないし、小中学校では常に人気者だろう。

 ESFP最大の鬼門は学歴だ。ESFPは学術的な事柄との相性が悪く、エリート的な競争にもあまり興味が持てないだろう。実際に東京大学のようなところではESFP型はほとんど見られない。これはESTP型との大きな違いである。

 その後のESFPは基本的に安泰だろう。就活では持ち前の明るさとコミュニケーション能力で難なく突破できるはずだ。競争への耐性が高いとは言えないが、日本企業はこの点でかなり緩いので、ESFPはそこまで苦痛を感じないはずだ。飲み会文化や集団主義への適性は極めて高いだろう。日本社会は総じてF型に優しい傾向がある。

 ESFPは楽しく生きるすべを知っている。マイルドヤンキーがしばしば楽しそうだと言われるのはいい例だ。仕事はそれなりに、家族や友人と当たり障りのない人生を楽しむことができる。それがENFPなのだ。

第13位 ESFJ

 僅差ではあるが、第14位にはESFJを選んだ。ESFJは必ずしもザ・陽キャではないが、大体2軍までに収まっているタイプである。世話焼きタイプと言われることが多い。ESTJのように全体を引っ張るタイプではなく、むしろ集団を見守っているタイプだ。集団で登山をする時は、最後尾で脱落者がいないか気をかけているだろう。

 ESFJの強みはなんといっても飛び抜けた集団適応能力だろう。常に周囲に気を配り、集団についていく。価値観のギャップも少ない。大体の集団でESFJは優しい気配りさんとして認められているはずだ。

 ESFJはSJ型の特性により、社会人的なライフスタイルとの相性が良い。やるべきタスクを一つ一つ実行し続けるルーチンワーク的な日常をあまり苦痛に感じないのだ。競争社会への適性はそこまで高くないが、なんだかんだ日本社会は優しいので、集団の潤滑油となるESFJは周りからも尊重されることが多い。

 ESFJは女性に多いタイプだが、伝統的に女性に求められてきた男性へのサポートや家事労働はESFJにとっては非常に得意とする分野だろう。このようなジェンダーロールは次第に消えつつあるが、少し前まではESFJの女性は相当な優位があったに違いない。

 ESFJの弱みを挙げるとすると、強みともなっているその気配り能力だろう。責任感の強さや他人への協調性はしばしばストレスを抱え込んでしまうことになる。人間関係が円満でない職場はESFJにとってはかなりの苦痛だ。他人への思いやりは、他人の苦痛は自分の苦痛として感じてしまうことにもなるのだ。

普通程度に生きていくタイプ

第11位 ENTJ

 全タイプで最も社会的成功度が高いと言われるのがENTJである。飽くなき向上心と天性のリーダーシップ、それに長期的な視野を持ち合わせる生まれながらの出世モンスターだ。

 ENTJは一見最強のようにも思えるが、主観的な生きやすさという点では最上位グループに入れないだろう。ENTJは出世欲が強いが、裏を返せば認められなかった時のショックも大きいということになる。良くも悪しくも要求水準が高いので、挫折感を感じやすいだろう。出世できずにくすぶっているENTJほど厄介な存在はない。

 また、ENTJは自己主張が強く、阿吽の呼吸を重んじる日本社会ではしばしば煙たがられる事がある。この点でENTJはESTJやESFJに一段劣るだろう。両者が集団内で反感を買うことはまずないからだ。

第12位 ISTP

 ISTPも比較的生きやすいタイプだと思われる。ESTPほど社交的ではないため、いわゆる陽キャになれるかは人による。チンピラのような人間もいれば、オタクの方が仲がいいという者もいるだろう。

 I型は集団や社交が苦手なため、生きづらさを感じやすい事が多いが、ISTPに関してはI型に中では一番生きづらさを感じにくいのではないかと思われる。

 ISTPといっても人による面が大きいが、総じて実務向きであり、現実離れした悩みを抱えにくい。また、TP型特有の図太さと奔放さにより、ストレスを抱え込みにくい性格でもある。ISTPはがんじがらめになることが少なく、程よく趣味でガス抜きをすることができる。一匹狼的なところがあり、ESTPと同様に嫌われることにも耐性がある。

 ISTPの組織人適性は高いとも低いとも言えないが、無難になんとか乗り切っていく。競争は平気だが、規則が多い環境は苦手かもしれない。とはいえ現実に適応していくタイプではあるので、程よく人生を楽しめるだろう。

第10位 ISTJ

 ISTJの生きやすさは普通程度だろう。小中学校ではガリ勉的なタイプに思われることが多い。ISTJは生真面目で社交性に欠くことが多い。集団でワイワイするようなノリは結構苦痛に感じていたはずだ。

 ISTJは仕事人だ。自分のやるべき仕事を黙々と実行し、終わったらさっさと変えるタイプである。ISTJはあまり趣味や娯楽を自分で広げるタイプではなく、面白みがないと受け取られる事が多いだろう。

 ISTJはSJ型の例に漏れず、ルーチンワークへの適性が高い。これは社会人時代の生きづらさを軽減している。淡々と仕事をこなして何の事件も起きない状況を非常に満足したものと受け取れるのだ。就活への適性は普通だが、就職してしまえば組織に従って無難な人生を送ると思われる。ISTJの取り柄はとにかく勤勉なことであり、日本社会では勤勉でありさえすれば大きく失敗することは少ない。

 ISTJはお世辞にもモテるタイプとは言い難いのだが、社会人的な能力は高い。隠れた優良物件とも言えるかもしれない。

第9位 ENTP

 ENTPは陽気で朗らかだ。いつも大胆不敵にニヤニヤしている。ESTPと同様に社交的だ。そんなENTPはESTPのように一見陽キャのようにも思える。しかし、ENTPはそこまで生きやすい性格タイプではない。これはN型の特性が関係している。ESTPとENTPは似て非なる性格タイプなのだ。

 ENTPは実務家というよりもアイデアマンだ。この特性は起業家やクリエイターのような業種では生きるかもしれないが、世の中の仕事の大半は地味なルーチンワークであり、ENTPからするとつまらないだろう。自由奔放なNP型は組織との相性が極めて悪く、被用者としての人生はENTPにとって抜け出したい現実のはずだ。

 ENTPはたしかに社交的ではあるのだが、その様式は型破りで、同調圧力の強い集団との適性は最悪だ。ENTPはわざわざ集団に喧嘩を売る素振りすら見られる。E型にも関わらず環境適応能力に難を抱える原因だろう。

 ENTPはE型の中では一番内向的と言われる。実際に性格が内向的かは別として、そう振る舞ってしまうのは間違いないだろう。ENTPは興味を掘り下げるタイプであり、対人コミュニケーションの仕方も独特だ。非常にオタク的な人々と言えるだろう。

第8位 ISFJ

 ISFJの生きやすさは中程度だ。真面目で無難なタイプであり、協調性が高い。縁の下の力持ちタイプと言われることが多いと思う。

 SJ型の例に漏れずISFJも社会人生活に難なく適応するタイプである。やるべきタスクを責任感を持って実行するというISFJの性質は多くの職場で頼られるはずだ。

 ISFJの弱みは繊細さだ。I型あるあるで、人と接することでエネルギーを消費する傾向が強い。また、F型の特性により、周囲が円満な環境でないと生きた心地を感じないだろう。場の空気に誰よりも敏感だが、それを変える影響力を持たないのがISFJという人種だ。

 とはいえS型は総じて無難で常識的なので、難なく人生を送れるだろう。小市民的な生活であっても家族と仲良く暮らせればそれで満点のハズだ。

第7位 ENFJ

 NF型の生きづらさは他のタイプとは一線を画す。その中ではENFJはマシだ。ENFJはESFJと似てコミュニケーション能力が高い性格タイプだからだ。常に社交的で集団では人望が厚い。責任感も強く、頼りになるタイプである。

 ただし、NF型はあまり社会的成功に有利な性質ではない。競争社会や人間関係に関してあれこれと嫌悪感を抱きやすく、ルーチンワークとの適性も高くないからだ。NF型は常に理想を追い求めているが、その理想は曖昧模糊としていて、そうやって実現できるのかも分からない。NF型は常に悩んでおり、生きづらさという概念とかなり親和性が高いだろう。

 ST型の性格は日常生活でかなりの強みを生む。彼らが得意とする分野は極めて実用的・技術的だからだ。ビジネスや資格試験に彼らはめっぽう強い。一方のNF型の好む分野はあまり実用性がない。文学や芸術といった感性は大半の仕事で役に立たないだろう。能力や関心がダイレクトに生きないという問題はNF型の人生観に暗い影を落としている。

 ENFJはINFJに似て、意外に目立たない性格タイプだ。説教臭い者や意識高い系もいるが、それは一部だ。注意して観察しないとスルーしてしまうだろう。

 ENFJはそこまで陽キャとは思われず、むしろ二軍にいがちなタイプだ。ES型のメンツと比べると理想主義的で、稀に自己主張が強いと思われる。概ね人望が厚いが、体育会系風土があまりにも強いと理想主義的な人間が嫌われやすいので、ENFJは不適応を起こすことがある。

やや生きづらいタイプ

第6位 ENFP

  E型は基本的に明るくポジティブな人間が多い。その中ではENFPは比較的生きづらさを感じるタイプだろう。ENFPは幼少期からアイデア豊富で人懐っこい。周囲を巻き込んで楽しませる人々だ。しかし、ENFPの言動はどこか浮世離れしていて、あまり小中学校の一軍の好みには合わないようだ。従ってENFPはその明るさの割に、カースト構造の中で上位に立つことはない。ENFPはだいたい2軍の中心人物といった辺りだ。女子の場合は独特のふわふわした雰囲気がグループ内で反感を買うこともあるだろう。

 ENFPは社会的成功に関して優位はない。受験戦争に対する適性は並みであり、インテリの世界にはあまり馴染めないようだ。ENFPの夢想的価値観はT型の人々が支配する業界では嫌われる。脳内お花畑といったところだろうか。

 ENFPは実務にも向いているとは言えない。というより、最も実務に向いていない性格だろう。決まりきった手順が嫌いで、ストイックに頑張るタイプではない。上下関係にもルーズだ。NF型の常として、出世競争や利益追求といった項目に興味を持てないし、技術的なことを深めるタイプでもないだろう。ENFPのファンタジー的な雰囲気は友達として関わるのなら良いのだが、シビアな実務の世界では強みにならない。ENFPの多くは仕事それ自体に関してストレスを抱えているかもしれない。

 NF型の常として、人間関係や周囲の人の感情を深く考えすぎてしまうということがある。生き馬の目を抜くピリピリした職場はENFPには合わないだろう。ただし、I型ほどではない。彼らは目が外に向かっているし、環境順応能力もある程度は持っているので、1人で抱えこむということはない。 

 とはいえENFPは無難に生きていくことは可能だろう。ESFPやESFJのようにはいかないが、それなりに社交的なので、集団の中で仲間はずれにされることはない。ENFPは、上位に行くかはともかく、下位には落ちないタイプと言えるだろう。

第5位 ISFP

 S型は総じて無難であることが多いが、その中では最も生きづらいタイプなのがISFPである。ISFPは全タイプの中で最も数が多く、目立った特徴はあまりないタイプでもある。従ってISFPは大体の集団に1人はいるし、N型とは違った意味で色々な立ち位置の人間がいる。

 学校でのISFPはどんなグループにも存在するだろう。一軍でワイワイしている人間もいれば、仲間はずれになっている人間もいるだろう。学術系への適性はさほど高くない。空気が読めるかは人によるが、概ね心優しく控えめな性格だろう。

 ISFPは少し引っ込み思案であり、社交的な場ではストレスを感じることが多いだろう。損な役回りに回ることも多い。ESTPのように大胆にはなれないし、ISTJのようにコツコツ頑張るのも向いていない。S型の中ではかなり繊細な部類なので、傷つくことも多いだろう。ただし、ISFPは現実的で地に足が付いている。N型のような荒唐無稽な願望は抱かないので、無難な人生を送ることは可能だ。ENTPは目立たないと死んでしまうのに対し、ISFPは目立たなくても十分に暮らしていけるだろう。

 ISFPの人物像を一番良く表しているのは野比のび太だ。まさに大人しくて控えめで優しい性格である。そこまで勤勉でも真面目でもなく、悩みを抱え込むタイプではない。のび太はしばしばINFPと言われることがあるが、私はそうは思わない。のび太の想像や願望はかなり現実的だ。クラスで注目を浴びたいとか、褒められたいというものだ。N型であれば遥かにカオスなものとなったはずだ。のび太は実際に公務員として就職し、しずかちゃんと結婚して子供にも恵まれている。そのことに対して非常に満足してそうだ。ジャイアンなど地元の友達とも続いている。生き馬の目を抜くエリート競争には向いていないが、無難で堅実な人生なら容易に手に入らなそうである。

第4位 INTJ

 INTJはボンヤリと生きていれば生きづらいタイプだ。しかし能力を磨けば大活躍できるタイプでもあり、実際に多くのINTJが目覚ましい社会的成功を収めている。ENTJと同様に努力と才能によって明暗が分かれるタイプと言える。

 INTJは普通の学校では生きづらいだろう。INTJの価値観からすると、外遊びに興じる同級生はバカバカしく思えるはずだ。大体の日本社会はSF型にありがちな「場の空気」を読むことを求められるし、特に小学校あたりはその要素が強い。理詰めで考えた正論が場の空気によって追いやれれるさまを見ると激しいストレスになるはずだ。絶えず周囲の人間の気持ちを読んで集団に合わせる学校生活は苦痛であり、実際にいじめられるリスクが高いタイプでもある。

 INTJが花開くのはそこからだ。INTJは全タイプの中で最も頭がよく、勤勉なので学業成績も良い。進学校や難関大学は一般社会ではあり得ないレベルでINTJが多く生息しており、普通の小学校と違って立場が強い。少なくともよほどの偏屈でない限り、浮くことはないだろう。「陽キャ」として認識されている人間も大勢いる。

 もっともINTJにとってのリスクの1つは学業でもある。INTJは自分の知的能力に誇りを持っているがゆえに受験に失敗するとアイデンティティが揺らぐことが多い。実際に受験の失敗が原因で引きこもりになるINTJは存在する。INTJの人生とは能力を開花させられるか否かで大きく変わるのだ。

 INTJの社会人適性は職選びに失敗しなければ高い。INTJはルーチンワーク適性が高いとは言えないが、それでも勤勉なのでそれなりに評価されるはずだ。高度専門職の多くはカルチャーがINTJそのものなので、いきいきと働いている人間が多い。伝統的な日本企業はそこまでINTJに親和的ではないが、才能と努力で乗り切れるだろう。ただし現場労働者やケアワーカーといった職業に就いた場合はかなり厳しいかもしれない。基本的に「偏差値の高い人がなりがちな職」を目指したほうが無難である。

かなり生きづらいタイプ

第3位 INTP

 INTPとINTJの立場は似ている。どちらも小学校のような環境では「陰キャ」と目されているはずだ。通常の意味での社交はあまり得意ではないし、仮に得意だとしても何らかの方法論を後付けで身につけているはずだ。両者ともにSF型の色彩が濃い同調圧力の強い村社会は苦手だ。

 INTPとINTJには若干の違いがあり、それが両者のQOLに違いを産んでいる。INTJは一般社会に馴染めないが、エリート社会への適応度は高い。進学校や難関大学ではINTJはむしろ社交的で優秀な人間と目されているはずだ。一方のINTPはどの環境でも必ず「陰キャ」扱いである。これがINTPの生きづらさの原因である。

 INTJは一般的なエリートコースに関して適性がある。一方でINTPはINTJほど勤勉ではなく、興味本位の行動が多い。こうなると社会的ステータスの高い集団にもあまり適性がないことになる。実際にINTPは高学歴でも就活に失敗することが多い。INTPと体育会系の相性は最悪に近く、うまく興味と才能を生かせる職に巡り合わない限り、うだつが上がらないだろう。INTJが「職選びに失敗しなければ」良いのに対し、INTPは「職選びに成功しないと」ハードモードな社会人人生を送ることになる。

  INTPの代表格である大物理学者・アインシュタインは26歳にして三大論文(特殊相対論・ブラウン運動・光電効果)を発表した。全てノーベル賞受賞クラスの発見である。当時のアインシュタインは特許庁の職員だった。よほど仕事が暇だったのだろうか。少なくとも公務員としての出世に関心はなさそうだ。おそらく人類史上最強の社内ニートだったと言えるだろう。INTPというのはこういう人なのだ。才能を活かせれば活躍できるという点ではINTJに良く似ているが、通常の官僚機構での出世には向いていない。INTJと比べた時の成果の不安定さはINTPにとって大きな課題となっている。

第2位 INFJ

 上位2タイプには大きな差はないのだが、僅差で2位と思われるのはINFJだ。INF型の人間は総じて強い生きづらさを感じており、なおかつそれらを発信することを好むようだ。

 INF型の人間はなぜ生きづらさを感じるのだろう。まずNF型の常として、競争社会との相性が悪い。NF型は理想主義的な博愛主義であり、常に人々に優しい世界を夢想している。しかし、残念ながら受験戦争や出世競争によって人々の闘いの種は尽きず、NF型にとっての心地よい社会はやって来そうにない。その上NF型の能力は実社会で生きにくい。ST型の実用的な能力とは正反対であり、NT型ほど学術系への適性もない。NF型は確かに思いやりのある人々なのだが、SF型と違って場の空気を読む能力は高くないので、空回りしがちだ。

 それでもENF型は社交性が高いので、なんとか社会に適応していく。しばしばウザがられるが、それでも一応は立ち位置を確保できる事が多い。ところがINF型は社交があまり得意でないので、かなり問題を抱えることになる。INT型だったら周囲を見下すか無視するのだが、INF型はどうしても嫌われたくないという意識が勝ってしまうので、開き直ることもできない。

 INF型の抱える困難を簡潔に語るとこんな感じだろう。強い理想や豊富な興味を持っているが、それは誰からも理解されない。実社会で役に立つことはS型の項目ばかりで、自分の考えていることを反映できる機会もない。集団に合わせることは苦手だし、人から価値観を押し付けられるのは大嫌いだ。それでいてF型なので、他人の目が気になってしまう。誰よりも人を欲しているのに孤独の中に取り残される、それがINF型の抱える問題なのである。

 INFJは小中学校では控えめな優等生として尊敬されているだろう。自分の主張をベラベラと語るわけではなく、人前で目立った行動は取らない。INTJほど目立たないが、学業成績は優秀なことが多く、その他の面でも優秀である。

 しかし、INFJは聖人のような人柄であるがゆえにストレスを抱え込んでしまう。理不尽や個性を尊重しない文化には非常に腹が立つし、マウントや競争にも嫌悪感がある。ISFJはと違って思考が複雑なので、悩みが二重三重に反響して増幅してしまう。しかし、それをうまく表現することはできない。どうしても相手に気を遣ってしまうのだ。穏やかな外見とは裏腹に凄まじい葛藤を抱えているのがINFJなのである。

 ただし、INFJの社会的成功度は高い。INFJが集団に馴染めないというケースはあまり見たことがない。INFJは真面目だし、いい人に見られやすい。INTJほど勝ち負けに固執してないのはむしろ強みとなる。内面では孤独と葛藤を抱えながらも、表面上は周囲に尊敬されて暮らしていることが多いだろう。形だけの順応が生きづらさを解決する訳では無いが、それでも孤独を回避することはできる。INFJは悩みを抱え込んでバーストしない限り、なんとか生きていけるタイプだと考えられる。

第1位 INFP

 全タイプの中で最も生きづらいと思われるのはINFPだ。16タイプの界隈ではINFPは生きづらいと言われているが、実際の感覚とも一致している。INFPは全ての項目が空回りしていると考えていいだろう。

 INFPはESTJの真逆だ。従って通常の職業的成功にはあまり向いていない。非社交的・夢想的・競争嫌い・繊細・マイペースといったINFPの特徴は体育会的特性と真っ向から衝突する。受験・就活・実務の全てがINFPにとっては苦痛を伴うもののハズだ。

 INFPの生きづらさの本質はINFJとあまり変わらない。思慮深く、興味を掘り下げるタイプだが、周囲の人には理解されない。理想主義的だが、その内容は曖昧模糊としており、なかなか実現できそうにない。考えていることや好きなことがことごとく日々の実務から乖離しているというのがINFPの悩みの大きな部分を占めている。それに加え、内向的かつ自由人なので集団に馴染むのは不得意だ。それでいて人から嫌われるのも困る。人を欲しながら社会に馴染めない、これこそがINFPの抱える第二のジレンマだ。

 INFPを隣接タイプと比較すれば生きづらさがよく分かるだろう。

 ENFPも実務能力の低さという点ではINFPに良く似ている。ただし、ENFPは社交性で誤魔化せることが多い。思考回路が良く似たタイプでありながら、両者の外見は大きく異なるだろう。ENFPは職場の人間とガンガン絡みたがるが、INFPは職場の人間と関わるのはストレスだ。T型が極端に多い環境でない限り、ENFPは「使えないが憎めないやつ」に留まるはずだ。INFPは無理やり職場に合わせているが、特に面白いわけでもなく、疲れて終わりである。例えるならば、趣味の集まりに同僚を誘いまくるENFPに対し、趣味の話を職場でできずにモヤモヤするINFPといったところか。

 ISFPは引っ込み思案という点でINFPに良く似ている。ただし、ISFPの方がマシだ。ISFPは現実的なので、INFPのような現実離れした理想は持たない。毎日平和に暮らせればそれで良いと考えているだろう。それにISFPの方が環境適応能力が高い。自分から働きかけることが求められる場所ではそうでもないのだが、学級や職場のように否応がなしに組み込まれる場ではISFPの方が適応しやすい。端的に言うなら、これと言った趣味がなく、惰性で職場に適応するISFPに対し、やりたい趣味があっても仕事のせいでなかなか実現しないINFPといったところか。

 INTPはINFPよりも更に社会適応に困難を抱える。INTPの方が能力を生かせることは多いが、コミュ力の低さで相殺だろう。しかし、INTPはINFPに比べて明確な強みが1つある。それはT型特有の図太さだ。INTPはそれほど人を欲していないし、嫌われても仕方ないと思っている。交友関係は全て自分の興味が優先だ。INTPは興味のない人間に嫌われても平気だが、INFPは興味のない人間であっても嫌われるのは嫌なのである。例えるならば、同僚に反感を買っても堂々と早退して趣味の集まりに参加するINTPに対し、本当は趣味を優先したいのに同僚の反感を恐れて諦めてしまうINFPといったところだろうか。

 INFJはINFPと似たような困難を抱えている。どちらも生きづらさは強い。INFJはINFPよりも責任感が強いので、悩みを抱え込んでバーストしてしまうリスクがある。開き直りも不得意だ。それでもおそらくINFPの方が僅かに強生きづらいだろう。INFJは勤勉で優秀だ。INTJと違って柔和な人柄なので、表面上は人間関係に問題を抱えにくい。INFJの理想は極めて高いが、場合によっては彼らを尊敬して付いてくれる支持者も生まれるだろう。この点でINFPはかなり不利だ。INFJの問題は主に内面の問題なのに対し、INFPは内面にも表面にも問題を抱える。INFJの理想が道半ばで終わるの対し、INFPの理想は取り付く島もないことが多い。第一、理想そのものもコロコロ変わるのだ。

 INFPの多くは生きていくために攻略法を身につけている事が多い。NT型のような成功のための戦略ではなく、より自分の心を守ることに特化した戦略だ。INFPはそのままだと社会に馴染めないが、あくまでそのままの場合だ。実際のINFPは内面に葛藤を抱えながらも、しぶとく生き抜いているのである。

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