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<MBTI>高IQのNF型はどこに消えてしまうのか

 性格タイプとIQの相関については前回説明した。原則としてN型が高く、S型が低いという傾向がある。しかし、奇妙なのは高学歴はT型が多いことである。IQにTFによって差は殆どない。それにもかかわらず、東大のようなところはNTばかりだ。NFも存在するが、NTに比べると頻度は少ない。NTとNFでそこまで知能に差がないとすれば、頭のいいNFの多くはどこに行っているのだろうか。

 NTとNFの学歴差に関しては、例えば作家を見ると分かる。東大法学部出身の作家で30歳前後の年代に新川帆立・結城真一郎・辻堂ゆめの三名がいる。 驚くべきことに三名とも同学年、または同年齢である。三人共にジャンルはミステリーだ。これはジャンルとしては明確にNTだろう。
 東大の少し上の年代に直木賞作家の小川哲がいる。彼のジャンルはSFだ(MBTIのSFじゃなくてサイエンスフィクションのSF)。これまたNT型の好むジャンルだ。他にも東大出身の若い世代の作家は存在するが、ほぼ全員がサスペンスやSFといったNT型の好むジャンルで成功している。経済小説すらも殆ど見ない。例外は今年の芥川賞候補になった千葉雅也くらいだろうか。ここまで偏っているのは珍しい。東大卒の作家は極端にNTのジャンルを選好しているようだ。

 NFっぽいテーマの作品と言えば純文学である。特に芥川賞はNFの頂点と言っても過言ではないだろう。当然、こんな賞がもらえる人間は知能が高いはずだ。ここ十数年の芥川賞作家の経歴を見ていると、早稲田大学の出身が目立つ。高卒の者もいるが、概ねボリュームゾーンは早慶旧帝からMARCHや地方国立に分布している。東大出身者は学部に限ると小野正嗣くらいである。
 このことから推測すると、高知能のNFの学歴の集中度合いはNTほど高くない可能性がある。平均よりは遥かに高学歴なのだが、NTほどではなさそうだ。特に東大や京大クラスになると逆に減少するようだ。

 なぜNFはNTほど高学歴ではないのだろう。推測だが、理由は2つある。
 1つは受験システムがTに寄っている可能性だ。数学や物理といったジャンルはT型の性格の人間が好むだろう。大学受験で理系科目に強いと有利なので、NF型はIQが高くてもそこまで有意を活かせない可能性がある。
 2つ目の理由として、そもそもNFが受験戦争にそこまで熱意を持てない可能性がある。T型は競争心が強く、自分の能力を証明できるとなれば受験戦争にのめり込むだろう。一方でNF型はそこまで一生懸命にはなれない。むしろ、競争自体を嫌になる可能性がある。真面目にコツコツ勉強することは好きでも、浪人してまで超難関大を目指すような闘争心はないのだろう。

 これらは経験則と推量に基づいた仮説にすぎない。しかし、なんとなくの傾向を把握することはできる。高知能のNFはやや高学歴の傾向があるが、NTには負ける。そもそも学歴には努力と環境が要因として強いから、知能が高いNFでも高卒でフリーターをしているケースはたくさんあるはずだ。彼らの一部は優れた知能で文章発信が得意なケースがあり、しばしばインターネット上で見かける。この手の人物は地頭自体はかなり良いのだろう。単純にやる気がなかったか、環境に恵まれなかっただけなのだ。


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