久々の日記

しばらく文学を読めていないので、自分が経済学的なモデルにちょっととらわれすぎているような気がしてしまう。グレーヴァ先生の非協力ゲーム理論を読んでいて、逐次均衡、摂動完全均衡の章を読んだとき、その奥深さに気づきそこからなかなか出られなくなってしまっている。こんな感じで数理的な頭になりすぎると、それこそウェルベックのような面白さを伴った小説しか読めなくなって、日本的な私小説やアンナカレーニナのような古典が本当に嫌いになってしまいそうで怖い。いまだに本気で文学を追求していきたいという気持ちがあるからこそ、そのバランスが難しいと感じている。
ただでさえ今日の日本人はユーチューブ、ティックトック、インスタグラムなどのSNSに慣れきってしまって、文学、映画がつまらないと感じてしまっているし、文学への興味を持っていたとしても、陳腐になったり、迎合したりしてしまっている。そのうえ、人文学以外のアカデミアでは、余裕のないかっちりとした学問が築かれており、焦って生きることになっている。ただただ文学はしぼんでいる。もう、僕たちには文学を読むというゆとりは残されていないのかもしれない。けれど、そうなってしまうのは嫌だなあ。

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