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一杯目のかしわうどん~2013.11小倉駅

恋愛の極意に"胃袋を掴む"と言うのがある。
何を隠そう自分もそれに引っ掛かったタチである。

2013年11月。
初めて訪れた福岡県で、最初に食べたのが、小倉駅7-8番ホームにある立ち食いうどん屋の"かしわうどん"だった。
門司港に向かう途中、小倉駅で8分ほど停車するとのアナウンスを耳に、窓の外に目をやると、ホームに一軒のうどん屋。
時刻は昼過ぎ。朝に羽田を発って以来、なにも食べでなく、迷わずホームに降りた。

程なくして出されたかしわうどんに、喉鼓が鳴る。
柔らかくトロトロとした口触り。
汁は若干しょっぱい気もするが、甘く煮込まれた鶏肉とマッチする。
「ウマい。」
食べ慣れない柔らかい麺に苦戦しながらも、どんどんすすり、汁まで飲み干す。

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余韻に浸る間もなく、発車間際の列車に戻る。
それから4日間の旅行で福岡に惚れ、その後転勤で4年暮らし第2の故郷になった。
一杯目のかしわうどん。
あの時、確かに"胃袋を掴まれた"のだ。


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