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韓国語#02. 눈치를 보다~韓国社会でも空気を読む力は必要です〜

外国に比べれば、日本は人の目を気にしたり、気を使ったりする社会だとよく聞きます。確かに、その傾向はあるかなとは思いますが、実際に海外に住んでみると、その特徴は決して日本だけのものではないことが分かります。

例えば、その場の空気を察して対応する能力は韓国社会でも欠かせません。

ということで、今日はそんな場面を表現する韓国語「눈치 보다」を中心に、お届けしたいと思います。


◆눈치(를) 보다

눈치(를) 보다
ヌンチ(ルル) ボダ

この言葉、とてもよく聞きます。

Naver韓日辞書で調べると、「顔色を伺う」と出てきます。

個人に対して使う場合はそれでも良いと思いますが、この言葉は大勢の人や多くの人が集まる場所での全体の雰囲気を指すこともあるため、どちらかと言えば「空気を読む」の意味に近いと思います。


単語を一つ一つ見てみましょう。

보다(ボダ):
・見る
・会う

あら簡単。

一方の눈치(ヌンチ)

この単語に対応する適当な日本語がなかったため、説明するのがとても難しい言葉です。標準韓国語辞書では、次のように説明しています。

눈치(ヌンチ):
・남의 마음을 그때그때 상황으로 미루어 알아내는 것
(他人の心をその時その時の状況によって推測し分かろうとすること)
・속으로 생각하는 바가 겉으로 드러나는 어떤 태
(内にあった考えが表面に現れる様子)

以上のことから、「눈치 보다」とは「状況に合わせて、人の心やその心の動きを推測する」という意味になります。


◆韓国社会もなかなか大変です

<例文>
아 우리 아들이에요? 해외에서 대학교 나왔다가 한국에 들어 와서 취직했는데요, 몇 개월 일했다가 잘 안 맞아서 다시 외국에 갔어요. 그…있잖아요. 한국 회사에서는 눈치를 보면서 일해야 되니까, 그게 너무 힘들어서 잘 안 맞았던 것 같아요.

あ、うちの息子ですか? 海外の大学を卒業した後に韓国に戻って就職したんですよ。数ヶ月仕事したんですけど、どうも合わなくて、また海外に行きました。ほら、韓国の会社は空気を読みながら(人の顔色を伺いながら)仕事をしなければならないため、それがしんどくて合わなかったようです。

これは実際にあった会話です。

このように、韓国社会では空気を読んで行動することがとても重要です。

友人の話でも、上司だけでなく、同僚との関係においても相手の出方や場の雰囲気を読みながら仕事をしなければならないため、非常に疲れると言っていました。定時を過ぎたから帰りたいけど上司がいるから帰れない、なんていう話も昔はよく聞きました(今はそこまでではないと思いますが)。

確かに、韓国ドラマなんかを見ると分かりますよね。黒いものも上司が白と言えば白になる、的なやつ。

「韓国ってホントにああなの?」

この質問、何度も聞かれました。

財閥系企業はその傾向が強いといわれています。しかし、すべての韓国企業がそうかというと、そうではありません。例えば、比較的新しいIT系の企業では上下関係もそこまで厳しくなく、自由な雰囲気があって働きやすいと聞きます。

実際に私も学生時代に韓国のIT企業で翻訳のアルバイトをしていましたが、お互いの意見をきちんと言い合える雰囲気があったように思います。一方的に上の人が意見を押し付けるということはありませんでしたし、また、議論がヒートアップするとその場にいる他の人たちに迷惑が掛かるので(単純にうるさいので)、その場合は防音効果のある部屋で話し合うというルールまでありました。チームの仲もよく、何かあったらお互いにサポートしあうような体制もあったため、日本企業よりも働きやすいんじゃないか?と思ったこともありました。

もし韓国で働いてみたいと思っている方がいましたら、個人的にはIT企業がおススメです。


◆눈치をつかった熟語集

最後に、「눈치(ヌンチ)」に関連する熟語をご紹介します。
よく使う表現のみを集めたので、覚えておくと便利です。

1. 눈치가 없다(ヌンチガ オプタ)
2. 눈치가 빠르다(ヌンチガ パルダ)
3. 눈치가 보이다(ヌンチガ ボイダ)


 1. 눈치가 없다(ヌンチガ オプタ)

없다(オプタ)は「ない」という意味です。

눈치(ヌンチ)がない。そう、ズバリ「空気の読めない人」のことです。

<例文>
걔는 왜 그 때 그런 말을 했을까? 정말 눈치가 없다.
あいつはなんであの時あんなこと言ったんだ? 本当に空気読めないな。

こうはなりたくないですね。


 2. 눈치가 빠르다(ヌンチガ パルダ)

빠르다(パルダ)は「早い」という意味です。

よって、「人の心を読むのが早い/空気の変化を敏感に感じ取れる」という意味で使われます。空気を読むのが上手、早いってことですね。

人の心や空気の変化がよく分かるので、「気の利いた行動を素早くできる人」に対しても使われます。

<例文>
이 것들 다 그가 준비했다고? 완전 눈치가 빠르네.

これら全て彼が準備したって? すごく気が利いてるね。

素敵。そう言われたい。


 3. 눈치가 보이다(ヌンチガ ボイダ)

보이다(ボイダ)は「見える」という意味です。

「人の思っていること/考えていることが見えてしまう」ということで、「人の目を気にする」時に使います。

<例文>
왜 사람들이 있는데에서 스킨십을 하려고 해. 눈치 보이잖아.

なんで人がいるところでスキンシップしようとするのよ。人の目があるじゃない。

恋愛ドラマにありそうな会話。


機会があったら、これらの表現を使ってみてください。

ではでは。

どろん。

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