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最低気温よりも最高気温の低さにビビる

 寒くなるとは聞いてはいましたし、今週末は家にいるので大した問題ではないのですが、それでもこの数字を見ると、軽く身構えてしまいます。

 最高気温が-7度ってーー。

 しかも、1時間ごとの予報では-8度が最高気温らしいです。

明日は今日よりも寒いけど、温かいらしい。

◆◆

 そういえば、韓国で何度か冬を過ごした後に感じたことがあります。

 それは、雪の降る日は温かい。

 雪の湿気があるせいか、もちろん寒いは寒いのですが、強烈に寒いということはない気がします。また、実際に気温もそれほど下がらない気がします。

 逆に言うと、気温が一気に下がるときは、雪が降らないことが多いです。今回も雪は降らないとのこと。しっかりと太陽マークが出ています。どうせ寒くなるのなら雪くらい降れよと思うのですが、仕方ないですね。

誰も踏んでいないまっさらな雪を踏みたい症候群。

◆◆

 ただ、この、雪が降る日はそれほど寒くないという説は、ソウルだけかもしれません。

 ーーまだ学生だった頃のこと。
 日本から遊びに来た友人と一緒に、江原道カンウォンド(강원도)の原州ウォンジュ(원주)でお正月休みを過ごしたことがありました。

 その日は昔お世話になった村のアジョッシ、アジュンマと楽しく過ごし、るんるん気分でペンションに戻ったのですが、そのときの天気がもう最悪で、顔が全く上げられないほどの猛吹雪だったのです。

 江原道はソウルよりも寒い地域で、さらには、その年は特に寒い年だともいわれていました。

 村の寄合所からペンションまでの道のりには田んぼと畑しかなく、吹雪を遮ってくれるものは何もありません。容赦なく、これでもかとばかりに叩きつける強風と大粒の雪。コートに手袋、マフラーで全身を覆っても、芯から冷えていくのは防げませんでした。

 ここまで来ると、寒さや痛さを通り越して、息苦しいーー。

 それでもそんな状況が可笑しくてしょうがなく、お互いの腕を組んで小さく縮こまりながらも必死に立ち向かう友人とは、大声で笑い合うしかありませんでした。

 そんな中お互いの顔を見合わせると、なんとまつ毛が凍っているではありませんか。

 瞬きをする度に、上下に動く、白く凍ったまつ毛たち。

 お互いの顔を見てはケラケラと笑い、「寒いとまつ毛が凍るって本当なんだね」とか、「早く帰らないと鼻毛まで凍っちゃうね」なんて言い合う声も、すべては吹雪の音にかき消されます。「 聞こえねぇし。こんなに大声でしゃべってんのに聞こえねぇし」そんなことすら楽しい夜でした。

 ーーその翌日、私たちが奮闘しながら歩いていたときの気温が-20度以下だったらしいと知りました。しかも、その村は原州市の中でも特に寒い地域で、実際は-24度くらいだったのではないかという可能性まで登場です。

 もしそれが本当なら、あのときの体感気温は何度だったのだろう・・・。

 うん。
 楽しかったけど、もう経験しなくていいかな。

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