#45 呼吸の基本的な考え方
大きく意識することなく
普段からしている呼吸ですが、
人の1日の呼吸回数は
およそ2万~2万5000回と
言われています。
通常何気なく行っている呼吸は
安静時呼吸と言ったりします。
その他には、努力呼吸というものも
あります。
安静時呼吸では、
呼吸筋(横隔膜および外肋間筋)の働きで
胸郭(主に肋骨)が広がることによって、
胸腔の中の圧力が下がり
圧力の高い空気が肺の中に入っていき、
肺が広がります。
この流れを吸息といいます。
吸息ののち、
呼吸筋が弛緩し胸郭が元に戻っていく中で、
肺は自然に収縮していきます。
この流れを呼息といいます。
安静時の吸息では、
約70%は横隔膜の収縮(腹式呼吸)
によって起こり、
約30%は外肋間筋の収縮(胸式呼吸)
によって起こる
と言われています。
息を吸うときに胸郭を広げる筋肉を
「吸息筋」と呼び、
息を吐くときに胸郭を縮める筋肉を
「呼息筋」と呼んでいます。
努力呼吸とは呼吸補助筋を使った呼吸法で、
呼吸困難時や、深呼吸など
深い呼吸をするとき、
負荷の高い運動をしたときなどに行われる
深い呼吸のことをいいます。
努力吸息時は、
安静吸息時に活動した横隔膜、外肋間筋
などのほかに、
下記の筋肉が呼吸補助筋となります。
内肋間筋前部、前鋸筋、肋骨挙筋、
上後鋸筋、胸鎖乳突筋、斜角筋群、
大胸筋、小胸筋、僧帽筋、肩甲挙筋、
脊柱起立筋
などの筋肉を動員しまして、
努力吸気が行われます。
努力呼息時は、
下記の筋肉が呼吸補助筋になります。
内肋間筋横、後部、最内肋間筋、
内、外腹斜筋、腹直筋、腹横筋、
腰方形筋、下後鋸筋、肋下筋、胸横筋
などが動員されます。
この中でも、重要な働きをするのは、
内肋間筋と腹筋群(内、外腹斜筋、腹直筋、腹横筋)になります。
安静時、努力時の呼吸には
上記に挙げました多くの筋肉が
関係してきます。
この各筋肉が何らかの理由で
硬くなってしまったり、
働きが悪くなってしまいますと
呼吸の質が下がってしまいますので、
ストレッチやエクササイズ、
トレーニングが必要になってきます。