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#94 アウターユニットを知る

皆さんは、アウターユニットという
言葉をご存じでしょうか?

あまり耳にすることがないかと思いますが、
アウターユニットは、骨盤帯の安定性を
もたらす重要なシステムのことをいいます。

ここで挙げられている安定性は、
動作において起こる外力に対して
強力に骨盤帯を安定させる
ことをいいます。

アスリートの方や運動をなさっている方には
とても大事なシステムになります。

アウターユニットは4つのシステム
からなっています。

①後方を斜めに走る筋(後斜系)
②前部を斜めに走る筋(前斜系)
③縦に走る筋(後縦系)
④外側を走る筋(外側系)

①後方を斜めに走る筋(後斜系)
背面をクロスして安定させる
システムになります。
・広背筋
・大殿筋
・介在部の胸腰筋膜
※広背筋と反対側の大殿筋が共働して
仙腸関節の閉鎖力を高め、
安定性を作り出す流れになります。

②前部を斜めに走る筋(前斜系)
前面をクロスして安定させる
システムになります。
・外腹斜筋
・対側の内腹斜筋
・対側の内転筋
・介在部の前腹部筋膜
※踏み出す足を安定させるとともに、
骨盤を前方へと回旋させるのに役立ちます。

③深部を縦に走る筋(後縦系)
背骨に近いラインを安定させる
システムになります。
・脊柱起立筋
・胸背筋膜の深部
・仙結節靭帯
・大腿二頭筋
・長腓骨筋
※大腿二頭筋が仙結節靭帯との
連結を介して、
仙骨のうなずき運動を
コントロール形になります。

④外側を走る筋(外側系)
お尻と反対の内ももで安定させる
システムになります。
・中殿筋
・小殿筋
・内転筋群
・対側の腰方形筋
※立位や歩行時の骨盤帯の機能に
重要なシステムになります。

アウターユニットは、
これら4つのシステムを
連動させながら機能しております。

この4つのシステムの中で
共通していることは
クロスしていることになります。

投げたり、蹴ったりするとき
対角の手足を使ったり、バランスを
取ったりする動きを考えますと
クロスの考え方は、安定して動く上で
大事なことのひとつになるかと思います。

ただ、このアウターユニットの
システムにある筋肉を
ひとつずつ鍛えていけば良いのではなく
ご自身が行っている
スポーツや競技の動きの中に
見出していくことが大切になります。

アウターユニットは
固めすぎてしまうと
動きが悪くなってしまう
こともありますので、
アウターユニットをスムーズに力感なく
動かせるのが望ましいのではないかと
思っております。