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ドイツでも花粉症はつらい

僕はドイツに住んでいて、毎年2〜3月にかけてのこの時期は、春の到来をとても楽しみにしています。ドイツの冬は日照時間が短く、曇りや雨や雪の日が多く、また気温がとても低いので、冬の時期はほとんど毎日、暗くてどんよりした寒い日が続きます。

冬が厳しいからなのか、2〜3月のこの時期に春の到来を身体で感じると、なんだか嬉しい気分になります。徐々に気温が上昇して日照時間が長くなると、街路樹の枝に新芽が現れたり、道端に小さな花が咲き始め、こうした春の到来を眼にするのは本当に喜ばしいことです。

そんな春の喜びに水を差すようにやってくるのが花粉症。

日本ではすでに春の風物詩となっていますね。テレビなどの天気予報では、花粉の飛散状況が毎日紹介されています。僕は日本在住時、スギ・ヒノキ花粉に大いに苦しめられていました。この時期、マスク・目薬・抗アレルギー薬はmustなもので、日中に外出して花粉を多く吸い込んでしまった夜は、喉や鼻がとてもひどい状態になってしまい、熱が出てしまうこともありました。

日本からドイツにやってきて期待したのは、日本とドイツでは植生が違うので、ドイツで生活すれば花粉症から逃れられるだろう、ということでした。

とても興味深いことに、ドイツに来て最初の春には花粉症と思しき症状はほとんどありませんでした。春をドイツで過ごせば花粉症から逃れられる!というのも実は束の間の儚い喜びで、次の年からはしっかりとひどい症状に苦しむことになりました。

僕の場合、花粉症の症状は、日本では主に鼻水・鼻詰まりと喉の痛みが現れるものでした。一方、ドイツでは鼻水・鼻詰まりと喉の痛みに加えて咳が出ることがあり、ひどいときにはぜんそくのように咳が止まらなくなってしまうことがあります。ドイツの花粉症の方が僕にはかなり苦しいものです。

何の花粉でアレルギー症状が出ているのか、医療機関で調べたことがまだないのではっきり分からないですが、僕の経験からのかなり確信を持った推測では、ヘーゼルナッツ(Haselnuss)とシラカバ(Birke)の花粉です。

ヘーゼルナッツ花粉については、ヘーゼルナッツを食べると口の中に違和感を感じたりおなかをこわすことがあるので、これはおそらく明らか。僕はヘーゼルナッツ自体にアレルギーがあるようです。

シラカバ花粉については、リック(同居しているわんこ)の散歩でシラカバのそばを通るとくしゃみや鼻水がひどくなるので、これもおそらく明らか。

新型コロナのパンデミック期間は、マスクを着用することが普通だったため、実は花粉症の症状はかなり軽くてすみました。パンデミック後でもマスクを着ければ良いものの、マスクをつけていると周辺の人がちょっと引くことがあるため、ずっとマスクを着け続けることはなるべくしないようにしています。

今の対策としては、市販の抗アレルギー薬を服用することと、鼻うがいです。抗アレルギー薬は僕には効果的で、症状はだいぶ軽くなります。また、帰宅後には塩水を使って鼻うがいをしていますが、これもかなり効果的です。

昨年3月に出張で日本を訪問する機会があり、また日本で花粉症に苦しむことになるんだろうなと覚悟していたのですが、症状は思いのほか軽く、苦しいと感じることはほとんどありませんでした。

実は、日本を2年ほど離れた後に日本に戻ると日本で花粉症を発症しなくなるらしい、という話を以前に聞いたことがあって、本当かなぁと疑問視していたのですが、もしかするとこの説は間違っていないのかも知れません。詳しいことは分かりませんが、ちょっと不思議な経験でした。

自分自身がすでに花粉アレルギーを発症してしまっているため、僕は花粉の飛んでいるところなら世界中どこでも花粉症の症状に苦しむ可能性があります。南極・北極・あるいは荒地や砂漠など植生のないところへ逃げない限り、花粉症に苦しむことになるんでしょう。

現在、ドイツの自宅では空気清浄機を2台使ってこの時期をなんとか過ごしています。

花粉症は苦しいですが、でもやっぱり、春の到来は本当に喜ばしいものです。




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