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翻訳 3つの言葉 6つのパターン

数年に一度くらいの頻度で、日本からお客さんが僕を訪ねて来ることがあり、そんな機会には僕はお客さんを連れて自宅付近や近くの街を案内して回ります。

僕は普段は外出も外食もしませんが、はるばる遠方からのお客さんへのおもてなしということで、お客さんをお迎えした折には、名所旧跡を一緒に散策したり地元料理を楽しめるレストランを訪問します。

いつもちょっと困るのは、レストランでの食事の注文のとき。観光客をターゲットにしているお店でないかぎり、当たり前ですがメニュー(Speisekarte)は全てドイツ語で書かれています。

僕は、いつもお客さんのために冒頭から最後のページまで、メニューを読んで翻訳して料理や飲み物の内容を一つ一つ説明しなければなりません。これはかなり大変です。

過去を振り返ってみると、日本に住んでいた頃、外国からのお客さんを招いて外食に行った際も同じようなことがありました。日本語で書かれたメニューを冒頭から最後のページまで外国語で説明したという経験です。

どちらもかなり面倒で大変なのですが、翻訳の方向がまるで逆になっていてちょっと面白いですね。

日本語から英語・ドイツ語への翻訳と、ドイツ語・英語から日本語への翻訳。

翻訳の機会はそんなに頻繁ではないものの、今の僕は、日本語から英語・ドイツ語の翻訳よりも、ドイツ語・英語から日本語への翻訳のほうがかなり疲れます。

これって、おそらく普段の毎日の生活で日本語を話す機会が全くないため、今の僕の中では、日本語とドイツ語(あるいは英語)の間のバランスがかなり偏っていて、ドイツ語・英語の重みが相当大きくなっているからなんだろう、と気づきました。

ちなみに。

3つの言葉を翻訳・通訳するのは合計6個のパターンがあります。つまり、

ドイツ語 → 英語
英語 → ドイツ語
ドイツ語 → 日本語
日本語 → ドイツ語
英語 → 日本語
日本語 → 英語

です。この中で僕にとって一番簡単なのは

ドイツ語 → 英語

ですね。これは日常でよくありますので簡単・かんたん。

逆に一番むずかしいと感じるのは

ドイツ語 → 日本語

です。これはかなり難しくて、頭の中で言葉がうまく切り替わりません。
ドイツ語のメニューを日本語で説明すると、とっても疲れてしまいます。

思えば、僕の場合、一番かんたんなのも一番むずかしいのもドイツ語からの翻訳ですね。僕の中で、重みの一番大きい言葉はドイツ語ということなんでしょう。

相手がドイツ語話者でなくても、ちょっと気を抜くと、同意の相槌がJaとかGenauとかになってしまい、日本からのお客さんにときどきポカンとした顔をされてしまうことがあります。ほんとうにごめんなさい。