育休延長審査厳格化について思うこと【子育て】

ここ数日、育休延長の審査厳格化が話題になっているようだ。

そして、意見も真っ二つに対立している。

というのも、育休制度を悪用して、保育園に入園する意志も、職場復帰する意志もないのに不正に育休を延長している人がいるというのだ。

もしかしたら、ごく一部、そういう人たちが存在するのかもしれない。

しかし、この手のニュースでいつも思うのは、なぜそのごく一部の人にそうまでしてフォーカスして、「ズルをさせない」ということに躍起になるのかである。

というのも、悪用する人があまりにも多いならともかく、実際に悪用している人はほんのごく一部のはずだ。

そして、延長している多くの人は本当に困っていて、救済措置的に使っている。

まず、そもそも保育園というのは数が少な過ぎてマトモに入れない。

待機児童数という指標も非常にトンチンカンで、例えば私が以前住んでいた自治体に関しては、子供が住んでいないエリアの保育園は定員割れ、子供が住んでいるエリアの保育園は激戦で待機児童多数という状況だった。しかし、定員割れの保育園んがあるせいで、自治体全体では待機児童は少ない計算になる。

その自治体は待機児童数が少なく、保育園に入りやすい自治体としてよく紹介されているが、住んでいた当人からするととんでもない。

子供が住んでいるようなエリアでは待機児童だらけで、子供が住んでいないエリアは定員割れしているだけだ。実態とはかけ離れている。

それでも、数ヶ月などであれば、定員割れの保育園に入れてもいいというパパママさんもたくさんいた。しかし、結局はその人たちも定員割れの保育園には入れなかった。

なぜなら、転園の際に不利になってしまうからだ。

点数換算の方法は自治体によって異なるが、既に認可保育園に入園している園児が他の園に転園したい場合、点数的に不利になる自治体は多い。

数ヶ月や1年だけ、他の保育園に入れて待つことができるようなパパママであっても、小学校入学まで遠い保育園に入れるのは厳しいと考える人は多く、結局定員割れの保育園には申し込みはないままだ。

こういった実態はきちんと把握されているのだろうか。

また、逆に遠い園の方が保育園の質が高く、近い園は質がイマイチというケースも聞いたことがある。この場合、質を重視する親が遠い園に申し込む、そして下手に近い園に入園して、転園の際に点数的に不利になるより、育休を延長して、少しでも質の高い園に入れたいと望む親だっている。

こういった親の需要などはきちんと汲み取られているのだろうか。

個人的には、不正利用にばかり目を向けるのではなく、こういった実態にきちんと目を向けていただきたいと思うのだった。

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