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僕を産んだ罪。

「平和ボケ」という言葉がありますよね。私が住んでいる日本なんてまさにその言葉がピッタリと当てはまるほど毎日が平和です。不景気やらなんやらと問題や悩みは人それぞれありますが総合的に見ると日本は平和です。しかし、こんな平和な現代でも遠い地の果てでは毎日生きていくのが大変な人々もいます。

"難民"や"貧困層"をテーマにした映画2019年公開「存在のない子供たち」についての感想を書いていきたいと思います。

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まず、タイトルがショッキングですよね。でも主人公のゼインはこのタイトル通りの子供なんです。戸籍が存在しない。働くためだけに産まれた子。道具として扱われてしまっている現実がそこにあるんです。

あらすじ:わずか12歳で裁判を起こしたゼイン。訴えた相手は自分の両親。裁判長から「なんの罪で?」と聞かれたゼインは、まっすぐな瞳で「僕を産んだ罪。」と答えた。中東の貧困層で生まれたゼインは両親が出生届を出さなかった故に自分の誕生日も知らないし、法的には存在すらしていない。

学校へ通うことも無く兄弟達と路上で物を売り生活していく日々。そんなある日心の支えだった大切な11歳の妹が強制結婚させられてしまう。怒りと悲しみから家を飛び出したゼインを待っていたのは過酷な"現実"だった。


本当に、重くて苦しいんです。現実にこんなこと絶対あってはダメだけど今現在あるんです。

この映画を深く語ると偽善者のようになってしまったり何か違った意味で伝わったりしてしまうかもなのであまり語りませんが、絶対に見るべき映画だと思います。

12歳の子供が両親を訴えるんですよ。「世話できないなら産むな」と言うんです。子供がですよ。生活力も何も無い小さい子がそんな言葉を言ってしまうという現実。

この映画はフィクションですが限りなくノンフィクションに近く作られていると思います。主人公のゼインを演じた子は演技未経験みたいですし。彼自身、難民を経験していて「俳優はいらない、彼らは人生を演じてる」と監督が言ってる通り本当に人の人生を覗いてる映画です。

特にゼインの妹に初潮が来てしまうシーンがすごく印象に残ってる。子供を産める体になる=結婚させられてしまうということをわかっているゼインは両親にバレないようにひたすら隠すんです。生理用品を万引きしたりしてこっそり妹に渡しますがバレてしまうんですね。本当にこのシーンは辛かった。

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小さい子供が朝から晩まで家のために働かされる。親は生活力がないが何人も子供を産む。そんな現実が近い未来無くなることを祈る、そんな映画です。この現実は知らないよりも知っていた方がいいと思います。

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