新卒で入社した会社の話14

いつも一次面接で脱落している私だったが、初めて面接を通過し、それから次も通過し、「役員に会ってもらう」という段階まで来たことがあった。

リクルート〇〇。

あのリクルートの中の一つの会社だ。

私が応募したのは、自分が当時住んでいた地方の支社の営業サポート社員。
正直もう、ずっと室内にいて他の同僚と一緒に仕事をするというのがとても嫌なものにしか思えず、少しでも外に入れるもの=営業という安直すぎる理由で、営業ばかり受けていた。

リクルートの面接は他社と違って、個人のことをこれでもかというくらい深掘りしてくる。

自分に自信がなさすぎる私は、だんだん、落ち込んでいった。
あぁ、特に何もいいことアピールできてないな。。
正直に答えれば答えるほど、暗い自分が出てしまう。

「どうして、今の会社に内定って出たと思う?」

この質問がとてもグサッときた。

どうしてって、人が全く集まってなかっただけやろあんなん。
夏にもなって募集かけてきて、おまけに当時受けた同期みんな受かってんだからさ。

「誰でもよかったんだと思います」

この面接を諦めていた私は、正直にそう答えてしまった。

面接官は、この答えに納得も反論もせず、

「もし転職したらどういうふうになりたい?」

と聞いてきた。

「自分の仕事に誇りを持てるようになりたい」


その面接を終えた後、エレベーター前で、次は役員に会ってもらうと言われた。

全く何がよかったのかわからないが、最終へ駒を進めることができた。


しかし、最終面接に行ってみて、私という人間が良かったのではなく、本当に良いかわからなすぎるから、つまり当時の面接官だけでは判断がつかなかったから、とりあえず最終面接に呼んで、役員に見てもらおうという意味だったのだと悟った。

最終面接が始まる。

最初は普段通りの志望理由だとかを聞かれた。

すると数分後に、あるデータを見せてきた。

「君の性格からすると、この仕事って向いていない気がしている」

曰く、私は何か目標に向かって突き進んでいくのが向いている。
今回募集しているのは、あくまでも営業のサポートとして外へ出て行くものであり、営業というよりは人を支える色の方が強いとのこと。

募集要項には、
「ポイント:自分の頑張りが評価!負けず嫌いな人にピッタリ!」
みたいなことが書いてあった。

世の中、そんなに甘くないよな。
そうだよな、こんな何も取り柄のない私が、大手の会社に受かるわけがないよな。

「せっかくここまで足を運んでもらったのだから、何かお土産を持って帰ってもらわないと悪いと思ってね」

遠回しな不採用宣言だ。

挙句、次の日にお見送りのメールが来ていた。


あぁ、また今の会社で働き続けないといけないのか。

転職の理由が、だんだん「この会社を一秒でも去るためにどこでもいいから決まってほしい」という風に変わってきているのを感じた。



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