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No.18 風 2024年 2月 藤田 英樹

「ひとつぶの砂に ひとつの世界を見、一輪の野の花に ひとつの天国を見、てのひらに無限を載せ、ひとときのうちに永遠を感じる」 ウィリアム・ブレイク(英国の詩人 1757~1827)

映画「博士の愛した数式」の最後にも登場する「無垢の予兆」と題した詩の一節です。

仏教で言う 「一即一切 一切一即(いっそくいっさい いっさいいっそく)」(華厳五教章)

どちらも、「個と世界」、「一瞬と永遠」はひとつであり、つながっている、一如である と唱えます。

直観的にはなんとなく分かるこの視点は、ちっぽけな自己を離れ「真我」を求める過程、また「時間」には限りがあり、「いま、この時」を大切にして向き合う過程で、より実感を伴って見えてくるものであります。

 2月は我がライフシフト大学第9期生の卒業の月です。 数々の講義でマインドセットを転換し、自らの貢献価値を高めることを学び、またフィールドワークでマインドフルネス(座禅)に取り組み、

厚い自我の皮を剥き「真我」に接する感覚を知り、若いスタートアップ企業から頂いた「事業テーマ」に衆知を集めて挑戦・提言したり、5か月間は「自己の再発見」と「自己のビジョンの言語化と実現へ向けての行動開始」に至る凝縮した時間だったと思います。

 社会人ミドル/シニアになって新たな「生きがい」を見出すことは簡単ではないかもしれません。 

私の尊敬する神谷美恵子(精神科医・エッセイスト)の著書「生きがいについて」を年末年始に読み返してみました。 

「生きがいを求めるこころ(生きがい感)」の本源を⇒「生存充実感への欲求」、「変化への欲求」、「未来性への欲求(未知なる未来の発展)」、「反響への欲求(他人に自分の存在を受け入れてもらう)」、「自由への欲求」、「自己実現への欲求(自己の内部に潜む可能性の発揮)」、「(自己の生の)意味と価値への欲求」の7つの要素で説明しています。 

私達はこの7つのいずれかあるいは複数を追い求め、一瞬の永遠の中で、これからも進んでいくでしょう。 

「生きがい」を直訳できる適切な欧米の言語は無いと言います。

この余韻と膨らみを持った真っ白な言葉を掲げ、風を受けて前に進んで行きたいと思います。

※写真は、ディンギーのセイル( 葉山沖にて 筆者撮影)

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