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認知症の方との会話で意識したい「5つの配慮」を解説

”会話中の配慮”が良い関係の秘訣

認知症の方は脳の機能の低下によって物忘れや見当識障害、時に妄想や幻覚などが起こり、物事を正確に判断することがとても苦手になっています。

自分でもこれまでと違って色々分からないことや出来ないことが増えたということは分かっていて、不安や焦り、怒りや悲しみの感情を常に抱えていると思っても良いでしょう。

そのような状況にある方への話しかけ方は、おのずと配慮が必要になってきます。

正しい接し方で話ができると認知症の方とも良好な関係を築くことができますので、今回は介護職の方が実践している話しかけ方のポイントをおさらいしてみましょう。

①話し始めは「今から話しますよ」というサインを送る

まず話しかけるときは相手の視線に入る真正面から、見下さないように目線を合わせた高さから「〇〇さん」という風に話しかけます。

ご家庭では「お父さん」「お母さん」「おじいちゃん」「おばあちゃん」、あるいは名前などの呼び方になるかと思いますが、「今からあなたに向かって話しますよ」ということが伝わるように、優しく笑顔で話しかけます。

年をとると高音が聞き取りづらくなりますので、気持ち低めの落ち着いた声でゆっくりと耳元に話しかけるのがよいでしょう。

②命令口調にならない端的な話し方を工夫しよう

次に話の内容ですが、長々とした話は前後の脈略を忘れてしまいやすくなりますので、用件を端的に伝えることが好ましいです。

ただ命令口調でいきなり本題に入るのはNGです。

施設では丁寧な敬語を使いますが、家族間であれば敬語とまではいかなくてもやはり相手を敬う気持ちが伝わるような言葉遣いは大切です。

まずは相手が心を開くような会話から要領よく話を切り出すというのがGOODということになります。

「今日はよいお天気ですね。デイサービスに行く支度をしましょうか」といった具合です。

③叱られている理由はわからなくても、叱られたという負の感情は残る

「デイサービスに行く時間だから急いで準備して」とせかせるくらいならば、時間に余裕を持って話しかけるのが大切ですし、「デイサービスに行くんだからちゃんとしてよ」「デイサービスに行くようにしなきゃダメじゃない」などと否定的な言い回しをすることは避けたいものです。

例えご本人が叱られている理由はわからなくても、叱られたという負の感情だけはそこに発生してしまいます。

そうするとご本人と介護者の間も次第にぎくしゃくしたものになってしまい、普段の介護がしにくいものになってしまいます。

④褒める、ねぎらう言葉で相手を和ませよう

デイサービスに出かける準備が無事に整ったら褒める言葉も用意してあげてください。

「協力してくれたおかげで準備が終わりました、ありがとうございます」
「今日の洋服はとても似合ってるわ」
「今日も楽しい一日になると良いですね」
などなんでも構いません。

協力してくれたことの労をねぎらうことで、ご本人にやる気や前向きな気持ちが生まれます。

そうするとデイサービスにスムーズに出かけてくれたり、ご本人ができることが増えたりしていくものです。

⑤大丈夫、という魔法の言葉

最後に介護職の方が使っている魔法の言葉をお伝えします。

それは「大丈夫」という一言。
不安が多い認知症の方にとっては介護者からのこの一言で安心感を得られます。
「時間はまだたっぷりありますから大丈夫ですよ」
「そのままで大丈夫ですよ」
など作業の端々に使ってあげてみてくださいね。

まとめ

介護者側のちょっとした話しかけ方の工夫で、認知症のある方ともスムーズなやりとりができるようになります。

スムーズにやりとりができると日々の介護も格段に楽になっていきますよ。是非、できるところからさっそく実践してみてくださいね。 

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