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【翻訳】ポーカーにおけるレバレッジとは?【セオリー】GTOWブログ.29

レバレッジとは、将来のベットのリスクを指す。フロップやターンでベットをコールした場合、ショーダウンを出来るという保証はない。将来のストリートで難しい決断を迫られ、EVを失う可能性があるため、現在のストリートで良いオッズを得られているにもかかわらずフォールドすることが正しい場合もある。

ポラライズドレンジの一部としてベットできるハンドは、レバレッジから利益を得ることができる。ターンにベットすることは、バリューのためであれブラフであれ、リバーにベットして利益を得ることを予測出来ていれば、より有益となる。

逆に、コンデンスドレンジに含まれような中程度の強さのハンドは、レバレッジの価値を失う。ターンをコールすることは、リバーでまた厳しい決断を迫られるリスクがある場合、利益が少なくなる。


エクイティリアライゼーションとインディファレント

レバレッジは、エクイティリアライゼーションの概念に関連している。バリューベットであれブラフであれ、将来のアクションから利益を得ることができるハンドを持っている場合、ポットを大きくすることには特別な価値がある。ショーダウンで大きなポットを獲得できるほど強いハンドを持っている場合、複数回ベットした方が得であることは、想像しやすいだろう。しかし、多くのリバーでブラフをすることが予想される場合、ターンでもブラフをすることが出来るという事もまた真である。これらの状況は関連している。あなたのレンジにバリューベット出来るほど強いハンドの候補が多く含まれている場合、搾取されることを恐れずにブラフを多用することができるのである。

その理由を理解するために、インディファレントという概念をもう一度見直してみよう。リバーベッティングのレンジにおいて、バリューベットとブラフの比率が適切であれば、相手がブラフキャッチャーでコールするかフォールドするか、インディファレントになることはもう知っているだろう。例えば、2つのバリューベットに対して1つのブラフを含むレンジでポットサイズのベットをした場合、ブラフキャッチャーでコールしても、フォールドするのと同じように、相手にとってのEVは0になる。

同様に、相手のコール頻度によって、あなたはブラフをするかしないかがインディファレントになるはずである。
そのためには、1-ベット/(ベット+ポット)の比率でコールする必要があり、これはMDFとしても知られている。

この概念をターンに持ち越すと、さらに興味深い事が起こる。ターンのプレイは、まだ全てのボードカードが公開されていないため、ハンドの価値が変わる可能性があり、より複雑になる。しかし一般的な概念はこうだ:あなたのベットの多くは明確にバリューかブラフか識別可能であるべきであり、ベッティングレンジの少なくとも一つの目的は、相手がブラフには勝ててもバリューベットには負けるようなハンドを持っている場合に、相手に厳しい決断をさせることである。

何に対してインディファレントなんだろう?リバーと違って、ターンでコールしてもアクションが終わるわけではない。あなたも相手も、当然ながらリバーのランアウトもアクションも予測不可能である。つまり、相手はあなたがブラフで再びベットするかしないかを予測できないはずであり、あなたは相手がブラフキャッチャーで再びコールするかしないかを予測できないはずである。均衡を保つ唯一の方法は、あなたがターンでブラフをあきらめることもあれば、ターンでブラフをかけ、リバーであきらめることもあれば、両ストリートでブラフをかけることもある。同様に、ブラフキャッチャーも、ターンで即座にフォールドすることもあれば、ターンをコールしてリバーベット(実際にはしないかもしれないが)にフォールドすることもあり、ターンとリバーの両方をコールすることもある。

このように、均衡上のターンベット戦略では、相手のブラフキャッチャーは3つの選択肢の間でインディファレントになる:

  1. 即座にフォールドする。

  2. ターンをコールし、リバーベットにフォールドする。

  3. ターンとリバーベットの両方をコールする。

同様に、均衡コール戦略では、相手のブラフは次の3つの選択肢の中でインディファレントになる:

  1. ターンをチェックする。

  2. ターンでブラフをかけ、リバーであきらめる。

  3. ターンとリバーでブラフをかける。

あなたがターンでポットサイズのベットをしたとする。もし相手がこのベットをコールした場合、SPRはリバーで1となり、あなたはもう一度ポットサイズのベットでオールインする選択肢を得ることになると仮定しよう。もしバリューベットとブラフの比率が同じ2:1であれば、相手はブラフキャッチャーをすべてフォールドすることで、あなたをエクスプロイトすることができる。このベットが先の例のリバーベットと同じオッズをただちに提供するとしても、ターンコールは相手がショーダウンを見ることを保証するものではない。追加のリバーベットの脅威があるため、相手に厳しい決断をさせるために、ターンではより頻繁にブラフでのベットを増やす必要がある。

相手の立場で考えてみよう。リバーでもう一度ベットに直面する可能性があるとわかっているとき、大きなターンベットをコールするのは気分が悪いものだ。相手がブラフをしている可能性が高いとわかっていても、それは嫌なものだ。

これは50BBのMTTのシナリオで、UTG対BBのシングルレイズドポットの例である。A♠ K♥ 6♦のフロップで33%ポットをCベットし、コールされた後、UTGは2♣のターンをバレルするオプションを持つ。125%ポットのベットはリバーに同規模のベット(94%ポット)のオプションを残すことになる。

以下はこのベットをするためのUTGのレンジの内訳である。トップペア以上を「バリューレンジ」とすると、そのような手は5.4コンボある(多くの強い手はフロップでもっと大きなベットをしただろう)。一方、UTGはサードペア以下の4.2コンボをベットしているが、これらはすべてフォールドエクイティに大きく依存しており、ブラフと呼ぶのが妥当であろう。このため、UTGはベットの43%でブラフをしていることになる。この際のバリューブラフ比はシングルストリートのシナリオで125%のポットベットする場合のブラフ率(36%)ではない。

それでも、このベット戦略はトップペアのような強いハンドを持っていた時のでさえBBを窮地に追い込む。このブラフの多いベットに直面した場合、BBのKxはすべて、またAxの一部も、コールとフォールドの間でインディファレントになる(適切なスーツを使えば、コールする方がフォールドするよりもわずかに有利になる小さなブロッカー効果があるため、混合戦略ではEVがわずかにプラスになるものもある)。

インディファレントなこれらのハンド全ては約50%のエクイティを持っているが、多くのリバーで勝ち目のない判断に直面することになるため、利益的なコールをすることはできない。

BBがこのベットをコールした場合、9♦のようなブランクのリバーでは、UTGはポットサイズより少し小さいサイズのオールインを行い、その比率は3.9のバリューハンドと1.5のブラフとなる。将来のベットの脅威がなければ、UTGはもはやバリューベットに比例した以上のブラフをすることはできないので、ターンのブラフのすべてがリバーで再び火を噴くことはない。

ブラフにおけるレバレッジとは何か

リバーでは、UTGのベットはバリューベットとブラフという2つのカテゴリーに明確に分類される。しかターンにおいては3つに分類される。すなわち、バリューベット(ほとんどのリバーで再びベットする)、リバーで再びベットしないブラフ、リバーで再びベットするブラフである。もちろん、正確にどのハンドが再びブラフをするかはリバーのカードによるが、UTGはできるだけ多くのリバーで適切な数のブラフを出来るようにレンジを構築する。

ターンでは、多くのリバーで再びブラフをするような候補のハンドは、ブラフというよりも、まるでバリューベットのように機能する。つまり、コールされてもEVを失うとは限らない。むしろ、リバーでブラフに成功すれば、より大きなポットを獲得してバリューを得るかもしれない。なぜならこれらのハンドはブラフとして機能しないため、UTGは不釣り合いな数の弱いハンドをベットすることができ、バリューベットのバランスを取るために通常の数のワンストリートブラフを行うだけでなく、追加のマルチストリートブラフの分をベットし、追加のワンストリートブラフでバランスを取ることができる。

この効果は、もう一段階ストリートをフロップに戻すとさらに顕著になる。バリューベット、3ストリートブラフ、2ストリートブラフはすべてバリューベットのように機能し、リバーまで行った際にバランスを取ることができる。これが、プリフロップレイザーが全レンジをコンティニュエーションベットする戦略が有効である理由の一部である。レバレッジによって、BBが自分のギリギリのエクイティを守ることが特に難しくなる。

結論

このように見てみると、ポーカーは実際よりも簡単そうに聞こえる。将来のストリートで、どのハンドがバリューベットやブラフになるかを常に予測できるわけではない。しかし、できる限りレバレッジを活用し、早いストリートで新しいブラフのチャンスを見つけることが出来る。

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