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コーヒーの種類の選び方

ここ10年くらいですが街中で見かけるコーヒー豆の種類がとても多くなりましたね。スペシャルティコーヒーという概念が生まれて20余年経ちますが、以前のような国や生産地規格で流通する時代から農園や生産者、品種や精製方法まで細分化されたコーヒー豆が流通する時代になりました。
結果的にコーヒーを選ぶこと自体の難易度が高くなっています。

昔は例えば…
キリマンジャロ、モカ、ブルーマウンテン、ブラジル、マンデリン、コロンビアなどが銘柄では有名なものでしたが、現在では無数に銘柄が存在します。

「モカが好き」「キリマンジャロが好き」「ブルーマウンテンは高級品」とか漠然としたイメージが特に年配の方にはあると思いますが、現在では「モカ」の中でもかなり細分化されていて共通する特徴もある程度はありますがほとんど別物の味わいに分かれます。なので特定の「モカ」のイメージを持って初めていったお店で「モカ」という名前が含まれるコーヒーをオーダーした場合、想定していた味わいと全く違うことがあります。

「モカ」というコーヒーで見る昔と今の違い

そもそも昔は一定の生産地のコーヒー豆を集めて豆の大きさなどによりグレード分けしたものを出荷するというのが一般的でした。
「モカ」というのはイエメンにかつてあった港町の名前
コーヒー発祥の地「エチオピア」と「イエメン」のコーヒー豆がこのモカという港から世界に出荷されていたため、この2か国の豆は「モカ」という銘柄で扱われていました。
モカも少し細分されるとモカマタリやモカハラー、モカシダモなど下に地域名が付くものもあります。これは地域の名前で、通常エチオピアやイエメンでは在来品種という自生している原種を栽培しているケースが多く、その種類は3000種類以上に分類されると言われてます。このため地域によって自生しているコーヒーの味わいに特徴が生まれるので地域名で細分化されることがあります。

現在ではモカという名前が使われることが減ってきていて「エチオピア」「イエメン」というように国名が使われることが多くなり、国名の下に地域名や精製所、精製方法などが明記されることが多くなりました。

まずは焙煎度で好みを見つける

コーヒー豆は「焙煎」という加熱処理を行い、はじめて飲用できる状態になります。この焙煎はどれだけ熱を加えたかによりコーヒーの香味の特徴はガラリと変わります。

焙煎の深さを表す尺度はいろいろありますが、一般的には下記のような8段階で区分けされます。

イタリアンロースト(最も深煎り)
フレンチロースト
フルシティロースト
シティロースト
ハイロースト
ミディアムロースト
シナモンロースト
ライトロースト(最も浅煎り)

深煎りほどコクや苦味が増え、浅煎りほどさっぱりして酸味を強く感じます。(シナモン・ライトローストは青臭さもあり現在は飲用として流通することはほぼありません)

ほかにも深煎り中深煎り中煎り浅煎りというような表現で出しているお店もありますが、この場合はその範囲の定義がお店によってまちまちだったりします。(当店の場合はフレンチ=深フルシティ=中深シティ=中ハイ・ミディアム=浅で表現しています)

コーヒーは銘柄よりもこの焙煎度で大きく香りや味わいが変わりますので、まずこの焙煎度で自分の好みを把握しておくとコーヒー選びもしやすいと思います。

※ただこの焙煎度を表記していないお店もあります。

銘柄はニュアンスで選ぶ

コーヒーを多種類扱うお店では様々な方法で銘柄の違いを紹介しています。

例えば酸味や苦味、コクなどいくつかの項目で点数分けする方法や、単純に紹介文でニュアンスを伝える方法もあります。

コーヒーの味を表現する項目としては主に「香り」「フレーバー」「ボディ(コク)」「後味(余韻)」「酸味」「甘み」「クリーンさ」「バランス」などが国際的なカッピング(テイスティング)の基準項目となっています。

香りとフレーバーはややこしいと思いますが香り(アロマ・フレグランス)は粉やカップの液体から漂う香りでフレーバーは口に含んだ際の味わいや香りを指します。

例えば、チェリー系、柑橘系、ベリー系の酸味とかナッツ、ハーブのようなフレーバーとかカラメル、ドライフルーツのような甘みとか一杯のコーヒーの味わいを言語化して紹介しています。

その中で興味のあるコーヒーを選び、実際に紹介文のような味わいを感じるか試してみるのもコーヒーの醍醐味と言えます。

スペシャルティコーヒーは「一期一会」

現在のスペシャルティコーヒーは産地や農園、生産者、品種、精製方法などかなり細分化されていてその数も無数に有ります。

コーヒーは農作物です。同じ銘柄でも、気象条件などの理由により毎年同じ味わいの豆が出荷されるとも限りません。もちろん毎年、素晴らしい品質を継続する生産者もおりますが、輸入業者やロースターや販売店によっても取り扱う豆は変わっていきます。

なので気に入った銘柄があっても次飲みにいったらもう無かった…ということも多々あります。しかし、また素晴らしい銘柄に出会えるという楽しみもあります。










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