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もう一度飛び降りたら、僕は自由になれるだろうか。

こんな地点にいる自分が嫌だ。

世の中と僕をつなぐ楔はもうほとんど外れてしまって、ロープ数本しか残っていない。

そのロープだって千切れかけていて、それが切れたらもう終わりにしたいと思っている。

いや、今すぐ終わらせることだって出来るのだ。

もう一度飛び降りたら、僕は自由になれるだろうか。

たった数センチでいい。

あの橋の柵から足を踏み出せば、あとは重力が僕を殺してくれる。

もう一度飛び降りたら、その瞬間だけでも、また主人公になれるだろうか。

欲望とつまらない擬態に満ちた社会から、逃れることが出来るだろうか。

ただのゴミになれるだろうか。

ただのゴミに。

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