イエス・キリストを紹介したいんです．－人はパンだけで生きるものではない－

今日のサブタイトルは多くの人が聞いたことのある言葉ではないでしょうか．パンだけじゃなくてバターやジャムも欲しいよね，と茶化される言葉ですが，これは新約聖書に出てくるイエスの2番目のことばです．イエスは洗礼を受けた後，神の霊に導かれて荒野へ行って断食をしました．マタイの福音書 4:2-4 から引用します．

----
イエスはそこで、まる四十日間、何一つ口にされなかったので、空腹を覚えられました。 悪魔が誘いかけてきたのは、その時です。

「ここに転がっている石をパンに変えてみたらどうだ。そうすれば、あなたが神の子だということがわかる。」 '

しかしイエスは、お答えになりました。

「いいえ。聖書には、『人はただパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばによる』 (申命記8:3） と書いてある。わたしたちは、神のすべてのことばに従うべきなのです。」
----

断食の後で空腹ですし，神の子として石をパンにお変えになることもできたでしょう．でもなさらなかった．それはイエスが，悪魔の誘いに乗るのではなく聖書 (このときは旧約聖書になります) に書かれて神のことばに従うことを大切にしたということがわかります．．

『人はただパンだけで生きるのではなく…』は，上の引用にもありますように旧約聖書の申命記という文書中に出てくることばです．そして，その申命記の話題は，イスラエルの人々がモーセに連れられて，エジプトから脱出，割られた海を通り，荒野を通過して約束の地へ向かう途中の出来事が下敷きになっています．

荒野を進むイスラエルの人々が，「こんな荒野の生活は嫌だ．奴隷であってもエジプトにいて，お腹いっぱいパンを食べていたほうが良かったのに」とつぶやいたところ，神様が「天からパンを降らせよう。毎日みんな外へ出て、その日に必要なだけ集めなさい。これは、わたしの指示を守るかどうかを見るテストにもなる。」と言われて人々にパンを与えました(出エジプト16:3,4)．ここでの指示は，毎日その日の分だけ集めなさい．土曜は働いちゃいけないので金曜だけは2日分集めなさい，という難しいものではありませんでした．

人々が荒野でパンを手にすることができたように現実の食べ物は大切だけど，それ以上に神さまのことばを聞いて，従うことが大切なのだよという内容が読み取れます．