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棚からつぶ貝、からチョコレート

2020年、なかったことになればいいのに。

最近のかなしい口癖だ。

20代も半ばになりすっかり社会人になってしまった。

このただでさえ人と接するのに気を遣うご時世に部署異動が言い渡された。

今年の初めから予測はしていたから、当初は新しい環境に身を置いて一歩ステップアップするのが楽しみだった。

が、蓋を開けてみるとちょっと想定していなかった仕事内容、満員電車で行く都心のオフィス。気になる密。

先にも書いたように室内空間で人と接するのに気を遣うご時世、プラス転校生級に打ち解けたコミュニティの中にひとり入らなければならない状況、スーパー人見知り気にしいな私。

あっという間に頑張りたいという気持ちとは裏腹に心身が疲れてしまった。

幸いお休みがもらえたので、つかぬまのゆったり自分と向き合い、

心身に良さそうなものを吸収する時間にしよう、と決めた。

そこで見つけたのが発売されたばかりの

イモトアヤコさんのエッセイ本、「棚からつぶ貝」

(ようやく感想述べたい本のタイトルが言えた!)

何を隠そう、中学生の頃からイッテQの、イモトさんの大ファンである。

毎週欠かさず録画してきたし、出演者の皆さまのチャレンジへの姿勢に感化され負けず嫌いが人格に実装されたし、なにより元々あった海外への興味が増しに増し、大学は外国語や海外文化を専攻した。(孤高のアイドルのファンになり初めてジャニーズのファンクラブに入った)とまあ、かなり良い影響をもらってきたのだ。この話も広げると長くなりそうなので・・・

そんなイモトさんのエッセイ本。

読み始めたらまあ止まらなかった。

日常の出来事を話しているのに、時々不意打ちで挟まれる「まるで〜の時と同じ気持ちだった」みたいな例が、常人は生涯体験しないだろう世界各国での体験談の数々で笑いが止まらなかった。さらにそのロケのオンエアを観ているから、文字で仕入れた情報以上に色濃く目に浮かぶことが、より面白くする。得をした。

イモトさんの綴るお友達もテレビ画面を通して知っている方ばかりだからか、お友達を語るひとつひとつが脳内でイモトさんの声でナレーションされる。

こんな具合であっという間に読み終えた。


読み終えたあと、あー面白かっただけじゃいけないよう気がして、考えを巡らせた。思い浮かんだのは、

優しい職場の周囲の方からの、慣れるまで大変だと思うからなんかあったら言ってね

にも

「大丈夫です、ありがとうございます!」

ずっと共にしてきた前の部署の同期、同僚からのLINE

にも

「なかなかいいところ!順調だよ!元気!」

と笑顔で返す私。

ほんとかよ。どうもカッコつける節があり、自覚もしているのに直せない。

んでもってこうやってひとりで心身疲れちゃってそれもカッコ悪いからって話すことを躊躇う。

イモトさんは出会った人、出会った縁をそれぞれ大事にしている。

辛い局面で助けてもらった、と感謝を綴るシーンもいくつかあったが、

それは、常にそういったことを大事にして、時には自分の弱さだったり気持ちだったりを正直に伝えていた(逆もしかり)からこその信頼関係であり、その積み重ねが、

“周りの人に恵まれた”に繋がっているのではないかな、と思った。

それが自然にできているイモトさんはすごいなあ。

そこで私は、ちょうどLINEに来ていた、明日空いてる?

という普段だったら急だし疲れそうだから行きたくないな、と適当な理由をつけて断りそうな同僚からの誘いに、行く!と返信してみた。

さらに、実は、とここ最近の弱さをさらけ出してみた。

結果、優しい言葉と励ましをくれてとても心が軽くなったし、ちょうど欲しかったことの情報も得られた。同僚の話も聞き、ああ、自分だけじゃないんだな、と安心できた。

帰り道、電車の窓の向こうを見つめていたら、これまで仕事で関わってきた人、心配してくれてた先生、学生時代からの友達の顔が次々と浮かんできた。

弱さがバレたらカッコ悪いからとか、こんなことを言ったらあまりよく思われないかもしれないとか、こっちから少々蓋をしすぎてしまっていたなあ。

これからは、そのまんまの私で周りの人たちと接していこうと決めた。

あと、素敵だなって思った人をよく観察して、良いと思った言動は積極的に取り入れていこう。笑


だいぶ長くなってしまったけれど、もうひとつ。

“棚までは自分で行く”

この言葉がとってもしっくりきた。

物事を成功に導くカギも、ピンチの時に支えてくれるような人と出会う縁も、

何もないところから運良く手に入れられた!では決してないのだ。

自分から考え、行動し、努力した上で辿り着いた棚から、何か嬉しい良いものを、理想への切符を得る。

それは今まで私の中になかった発想だった。

だから私も、考えたり、つまずいたり、必死になったりしながらとりあえず棚まで自力で行ってみようと思う。
(でも行ったら必ず結果が降ってくるとは思っちゃダメだね!もちろん謙虚さも忘れずに!)

棚から思うようになかなか何も降ってこなくても、自力で一生懸命そこまでいけたのなら、その時には、その先も頑張れる自分な気がする。

それにしても、おみくじエピソード面白かったなあ。

そして生放送のあの日からずっと思っていたけど、羨ましい!!笑



ちょっとのお休み期間を終えて、デスクに戻ると小さなチョコレートが置かれていた。まだまだそのままの自分はちょっとしか出せていないけれど、見てくれてる、分かってくれてる人はいるんだな。


社会人、捨てたもんじゃないのかな

もういっちょ続けてやりますか。


ps.やらかし年表も、ひとつひとつのエピソードがずるいほど面白く、微笑ましいものだった。わたしも恐れずにたくさんやらかして行こ。あとで年表にして笑えば良いのだから。



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