ブランドニューオブアメリカ (テーマパーク舞台の小説)

あらすじ

ニューオブアメリカは、ごく普通のテーマパークである。開園当時から、多くの来場者を獲得してきたが、他の新しい形のテーマパークに越され、集客が見めず売り上げが落ちていた。運営会社であるジョイイマジネーションはこの状況の脱却を図ろうとするが、開園設立に関わった幹部たちの「伝統」や「継承」を崩してはいけないという所から、すぐに新たな形でテーマパークは変わらなかった。そんな中、たまたまアルバイトの募集を見ていた主人公の高校一年の向山夢遊(むあ)は、カフェ・レストラン・本屋などアルバイトの面接に落ち続けていた。最後の望みとして、ブランドニューオブアメリカの面接を受けることにした。元々接客や人を楽しませるのが好きな彼女にとって、これは本当に行きたいと思っていた。しかし、夢遊はブランドニューオブアメリカの現状をまだよく知らなかった。晴れて合格した彼女は、アルバイト先がテーマパークであるというのが嬉しくて仕方なかった。ブランドニューアメリカのキャストとしての身だしなみやキャストとしてあるべきサービスやミッションなどを勉強して、マニュアルなどが叩き込まれ、やっとの思いで現場に立つことができた。先輩キャストのトレーナーの基に座学で学んだことを活かすようにした。彼女がゲストをアトラクションへ誘導をしている中、ゲストから「つまらない」「なんかもう少し面白みがほしい」という会話を耳にした。夢遊はそのことを知り、心の中にとどめておいた。キャストの、他の仲間たちもとても楽しく個性もあった。佐山正樹は、同じスタッフでゲームやアニメ、映画が好きで常に好きなことをそれに投じている。上司であるテーマパーク社員スーパーバイザー若木創太は、帰国子女で語学が得意であり、ゲストへのサービスなどもとても良い。もう一人のテーマパーク社員スーパーバイザーである神谷大介もさまざまなことを勉強しながらテーマパーク社員としてのプライドなどを持っていた。彼女と同い年の先輩である高野冴姫は接客コンテストで毎年優勝するという実力の持ち主でもあった。夢遊が心にとめて置いたものを彼らたちはどう思っているのか?というのがちょっと気になっていた。ただのキャストではあるが、できるものなら、ゲストのそういう話をなくすために何かできないか?ということを考えた。こんな大きなテーマパークを変えるのはなかなか難しいことかもしれないとも感じていたが、ゲストのために何かしていきたい想いで日々の仕事で考えることにした。キャストの人数もかなりいる中、協力を仰ぐことも良いかもしれないとも感じた。自分たちができることで少しでも変われば楽しいテーマパークになるとも感じた。いつものように働いていた彼女は、ブランドニューオブアメリカの来場者数が減少傾向にあることを携帯の記事で知ることになり、キャストの解雇の可能性も視野に入れているというブランドニューオブアメリカの現状を目の当たりにしていた。これをきっかけに彼女は目の前のお客様のことを考えると同時に、この大きなテーマパークを変えていくためにテーマパークスタッフとしてできることを行動に起こすことにした。ブランドニューオブアメリカを変えるために、向山夢遊は動き出すことにした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?