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ママと呼ぶこと、呼ばれること

子育てをされているママは、初めてママと呼ばれたのはいつでしょうか。
それは誰からでしょうか。
そのときどう感じましたか。

今回は医療者として患者さんをママと呼ぶことについてお話します。

産婦人科では、妊娠、出産される患者さんのことをママと呼ぶことがあります。
出産準備クラスや産後のクラスで複数の方を対象にママと表現したり。
また、産前産後に1週間ほど入院する患者さんに関わる中で、1対1の関係でもママと呼ぶこともありました。
例えば「ママは体調はどうですか」といった感じです。

最初は◯◯さんって呼んでいるのに、いつの間にかママと呼んでいることがある。
産科の助産師をしていた時、目の前の患者さんにママと呼ぶのってどうなんだろう?と疑問がわきました。

娘のパートナーに「お父さん」と言われた父親のように、患者さんからあなたの「ママ」じゃないって思われないだろうか。
患者さんに「ママ」という役割を押し付けていないだろうか。
つまりは失礼かもなぁと思って、意識的に患者さんを◯◯さんと名前で呼ぶようにしました。

NICUに異動してからは赤ちゃんがメインの看護対象なので、面会に来られるママに「ママ」と声をかけることが増えました。
NICUでは長期にわたって関わることが多く、呼び方で違和感を感じることが減った気がしました。
お互いに顔見知りの関係になったからかもしれません。
ママと呼ぶと〇〇さんより柔らかなニュアンスになることもあります。
また、パパとママがおふたりで面会に来ていると、〇〇さんとは呼びづらく「パパ」「ママ」と呼びかけたりします。

わたしの場合、初めてママと呼ばれたのは初期の妊婦健診でした。
採血の際に看護師さんに「ママ」と呼ばれました。
その時の気持ちは、歯がゆくて嬉しかったです。
わたしもママになるんかって。

妊娠から出産までお世話になった助産院の先生には、名前で呼ばれていました。
時々「ママ」とも呼ばれましたが、気になりませんでした。
この場合は先生とわたしの信頼関係ができていました。

自分が母親になってみて、呼び方はそれほど気にしすぎなくて大丈夫なのかもしれないと思いました。
どう呼ぶかより、関係性を築くことが大切なのかもしれないですね。
一方で、患者さんのママとなる心の準備(母親役割獲得の状況)によってはママと声をかけることに注意が必要なのかなぁと思いました。

長々と失礼しました。
読んでいただきありがとうございます。

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