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東京ブラックホールと妄想族

30歳くらいまでは
眠れない夜は自分の中の漠然とした願望を
妄想しながら眠ることがよくあった。

小さい頃は
家があまり有福では無かったことや
必要以上に姉と比較され続けたこと、
色んなことが重なり合い
幼いなりに家の居心地が悪かったのだと思う。

そんな時は決まって
有福で優しい親戚の叔父さん夫婦の家に
引き取られることを妄想していた。

10代の頃は
他の多くの女の子と同じように
外見のこと、恋愛のこと、勉強のこと
色んなことを自分の都合の良いように妄想し、
20代の頃はそれに理想の結婚がプラスされた。

一方で30代の頃は
あまり妄想していなかったと思う。

一流企業では無いけれど
人並みに少し毛が生えた程度の給料とボーナス、
独身で彼氏もいなかったけど
仕事は忙しく、気ままな一人暮らし、
それなりに欲しいものは買える、
自分へのご褒美で海外旅行にも行っていた。
要するに目の前の生活に満足していた。

そして40代の現在、
また妄想族に戻ってしまった。

ただ40代で結婚して
別居婚だったときは妄想は復活しなかった。
妊娠して、仕事を休んで、子供が産まれて、
夫のいる東京に越してきて、
また妄想族になってしまった。

思い当たる要因は数々とあるけれど、、、
あゝとにかく、とにかく
とりあえず、東京が苦手で
要因は東京にあるとしか思えない。

“アホほど家賃が高いくせに窮屈で
牢屋の様に見上げないと空が見えない部屋“
“狭くて高くて品揃えも悪い
コンビニの様なスーパーとドラッグストア“
“想像を超えていた都会の保活の厳しさ“

田舎なら高級車に乗ってそうなセレブママ達が
高級ブランドのちっこいショルダーバックを
斜めがけにして電動付き自転車で子供と
颯爽と走っていく。

どう考えても生活者に優しくない
子育て世帯にも優しくない
そしてコスパが圧倒的に悪すぎる東京に
どうしてこんなにも人が引き寄せるのだろう。

これまで自分なりに積み上げてきた価値観、
そして理想や願望の概念が崩れゆくことへの
拒絶が私を妄想族に引き寄せる。

小さい頃、
自分の子供には自分と同じ思いを
させたくないと思っていたのに、、、
現実逃避で宝くじを買ってしまった。

気持ちを切り替えて
自分と娘との居場所を見つけたいけれど
今夜も妄想族が私を誘っている。

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