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#5-5 研究者としての強みとは | 渡独に際して思うこと①-5

みなさん、こんにちは。
Lunaです。

今日は「#研究者の強みとは」という題を冠した
投稿の第5回目にあたる回です。

はじめての方へ、
この投稿は、私が明治大学のとある研究室で出会った、真摯に研究に向き合う姿が印象的だった5人をまとめていこうという趣旨のnoteです。

この投稿で、ようやく4人目の紹介です。

それではどうぞ。


5. 先輩Dさん

〈どんな人だったか〉

私が学部3年時、彼は学部4年生でしたので、
1年学年上のお兄さんです。
彼は明治大学でそのまま内部進学をしたので、
今は修士2年生ですね。
果たして研究は進んでいるのか…?

どんな人か、と説明するのが少し難しい人なのですが、
完全に夜型で16時ごろに研究室に来て夜遅くまでいる、という生活リズムの人でした。

おしゃべりが好きなわけではないんだろうけど、
人は好きなんだろうなぁと思わせる言動が印象的な方で、
相手が言ったことをちゃんと覚えていたり、
相手が求める反応ができたりと、
人を良く見ているんだろうな、といつも思っていました。

MBTIはENTP (討論者)だと言っていまして、
凄くそれっぽい人だなと思うので、
まあそんな感じの人です。
(説明が本当に難しい。)


〈彼が出した成果〉

学部2年間で、真菌 (いわゆるカビ)の新種提案を達成。
現在はその論文を執筆しながら、別の研究をしている人です。
この研究データですでに1度学会発表を経験している方です。

そして、ここでひとつ前提として知っておいていただきたいこと。
それは、
「学部の2年間で一つのテーマを完結させる」というのは案外難しいです。

狂ってると思われるくらい実験するか、
相当効率よく実験するか、
もしくはその両方を実現させなければ、ふつうは無理です。

この方の場合は、圧倒的後者かと。
先輩Aさん寄りですね。

私は圧倒的前者ですので、
やはりすごいなと感じていたわけです。
先輩B, Cさん寄りです。

現在彼は修士2年生の秋なので、
まだまだこれから面白い結果を出してくると思います。
あと一回くらい学会発表をするんじゃないかな、
という感じの研究者ですね。

〈なぜすごいと思うか〉

① 実験における時間効率が素晴らしく良い
先輩Aさんも相当に洗練された研究者でしたが、
この方も大変素晴らしい研究への姿勢をお持ちでした。

ここでまとめておきたいこと。
それは「実験において効率がいいとは何か」についてです。
それは、「最小限の実験で使えるデータを確実に出すこと」を言うと私は考えています。

そしてそこに至るのに必要なことは何か。

  1. 今の実験データに向き合う時間をしっかりとる

  2. 次の実験を練る時間をしっかりとる。

  3. ↑このために、論文を漁り、情報を収集する。

  4. ↑↑なぜこの実験をやるのか、目的をはっきりさせたうえで、実験に”挑む”

この4つができれば、「実験における時間効率がいい人」になれます。
でも、これが難しい。

私の場合は、焦っちゃうんです。

”考える時間があったら、培養かけちゃおうかな”
とか思ってしまうんです。

そして結局考える時間をとれずに、
実験を進めてしまう。

こうして実施した実験は、軽いんです。
でも上の4点を満たしてから行われた実験は一つ一つが重いんですよね。

先輩Aさんにしても、今回の彼にしても、
一つ一つの実験が考えこまれていて、無駄がなかった。

頭の中でシミュレーションまでしてるもんだから、
その実験もめったに失敗しない。

私に足りなかったのはこれなんです。

彼らに出会えたことで、
自分の欠点が見え (長所でもあるのですが)、
改善点がわかるのですから、
凄い人を観察して見習うことの大切さを痛感しますね。

② 原理まで追求する姿勢が凄い
おそらくこの姿勢に関しては、
これまで紹介してきた先輩たちと比べても、
この人が1番だと思います。

真菌の新種提案の時には、
”系統樹の原理”を怖いくらい調べていましたし、

物質を追うテーマに代わってからは、
常時使うことになる液体クロマトグラフィーの
原理と構造を徹底的に調べ上げていました。

そのくらいやるでしょ?普通じゃないの?
と思われる方もいるかもしれませんが、

私に限らず、4割の理系大学生が、
「とりあえずやってみる→原理を知る」という流れで研究をしていると思います。
残りの4割が「原理を最後まで理解しようとしない人」、
残りの2割が「原理を知る→やってみる」の人だと思っています。

私がいた研究室は「原理を最後まで理解しようとしない人」が大半だったので、彼のような人材は本当に希少で、教授も彼と実験の話をするときは楽しそうにしていました。

勉強すること、考えることに時間を割けるというのは、
心の余裕がなければできません。

のんびり屋さんであること
結構研究においては大切ですよね。


〇まとめ

私が思う、先輩Dさんの凄さは
以下のとおりです。

① 実験における時間効率が素晴らしく良い
② 原理まで追求する姿勢が凄い

あと2週間で、私も修士課程学生になります。
学部での反省を生かして、
研究者としてさらに成長していきたいと心から思っています。

まずはのんびり屋さんになるところからですね。

道のりは長そうです。

それでは今日はここまでにして、次は日曜日に続きを。
最後の5人目の紹介をします。
彼女は私の一つ下の後輩です。

ぜひ、また読みに来てくださいね。
また来週、みなさまにお会いできますように🌙


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