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読書感想文: ダメ子育てを科学が変える!

知人がFacebookに書いていたことが心に残っている。
「レディネス」という心の準備状態を表す言葉。
それはとてもわかりやすかったし、自分の経験を振り返っても、納得感のある概念だった。

明日で1歳10ヶ月を迎える僕の息子はもちろん世界で1番可愛いのだが、イヤイヤ期の兆候もあるし、救急車への執着がすごくてYouTubeで救急車の動画を見続けたりして、親としてストレスや不安を感じることが無いわけではない。

そんな中、レディネスの概念を知ったことで心にゆとりができるというか、タイミングを待つことだったり、信じて見守ることだったりが意識的に出来るようになった。

以前から「親業」を学んでいたし、いわゆる科学的な子育てには興味があったので、これを機にまた少し学んでみようかと思い、この本を開いた。

気になったキーワードをいくつか挙げてみる。

リンク&リダイレクト

子どもが感情的になって何か都合の悪い行動をした場合に、すぐに叱りつけるのではなく、一旦心を落ち着かせ、親と気持ちを通じ合わせて(=リンク)からその行動について話し合ったり、注意を促したりする(=リダイレクト)と良い、という話。
これも僕にとって非常に納得感がある話だった。
なんとなく経験上そう感じていたが、概念として名がつくことで意識に上がってきやすいと感じる。
息子が癇癪を起こしている時などに意識できるようになった。

サーブ&リターン

子どもが親に対して何らかのアクションを起こした時、つまり泣いたり、声をかけたりしたとき(=サーブ)には、ちゃんと反応(=リターン)しようという話。
無視が一番良くないというのは色んなところで言われていると思う。
シンプルな話ではあるが、これも名前がつくことで意識に残りやすいし、実践しやすくなったと感じる。

やる気の根っこ

やる気の根っこは3つ。
つながり、できる感、自分から感。
誰かのために、あるいは誰かと一緒にやること。
自分が役に立てること。
それを自分から率先してやること。
とういうときにやる気が出るよ、という話。
これは大人でも言えると思う。
ただ大人はあれこれ理由をつけて自分のやる気を削ぐので、子どもの時から自分で上手くモチベーションをコントロールできるよう練習しておくのが良さそう。
親としては、子どもがチャレンジするときは手を貸し過ぎず、何かしてくれたらしっかり感謝を伝えるとか、そういうことでモチベートできるのかなと思う。

ディスダンシング

自分の心から距離をとって俯瞰的に見てみようという話。
メタ認知と言い換えられそう。
近年非認知能力という概念が教育業界で流行している(もう古い?)が、その中でもメタ認知については触れられていたと思う。
本の中では具体的にディスタンシングの練習方法なども書いてあり、実践的だった。
2歳前の息子にはまだ早そうだが、いずれ必要になるだろうし、まず僕ら親が身につけておきたいスキルでもある。

ネガティビティバイアス

良いことより嫌なことの方が見えやすいし、記憶に残りやすいよねという話。
子育てが辛いのはこれが大いに影響しているとのこと。
心当たりあり。
僕自身、3秒前は黒歴史という心構えで生きているほどネガティビティバイアスが強いので、これは特に意識しておきたい。
子どもだけでなく、妻や両親、周りの人たち、そして自分自身に対して、ネガティビティバイアスが働いていないか、中立的に見えているかをちゃんと意識して生きたい。

まとめ

タイトルで科学を謳うだけあり、エビデンスに基づいたロジックやメソッドが多々あり、非常に参考になると感じた。
一方で、まずNGエピソードを挙げて、それをエビデンスで否定するという順序で書かれているセクションが多く見られ、その書き方は好みではなかった。
初めに結論を聞きたいので。
また、「〜になりかねません」「かもしれません」などの記述が散見され、それは科学か?と感じた。
エビデンス中心に論を展開しているのであれば、曖昧な記述は避けてほしい。
著者の感想はもちろんあっても良いが、それはそれとして分けて書いてほしいなぁと思った。
ネガティビティバイアスだろうか??

とはいえ、先述の通り全体で見ると非常にためになったし、読んでよかったと思う。
子育て世代にはぜひおすすめしたい。

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