なかなか諦めきれなかった夢。
先日『夢を諦めて良かった』という記事を書いたが、
最後まで、諦めきれなかった夢がある。
短大に残って、漢詩の研究を続けることだ。
短大に入って、古典の授業は沢山あった。
源氏物語、平家物語、宇治拾遺物語、万葉集…。
また、夏目漱石、宮沢賢治さんについても習ったが、どうも、しっくりこなかった。
しかし、漢詩は、悠々とした詩から、切ない詩まで、漢代の人々の詩に魅了された。
1年生の最後辺りから、短大に残って研究を続けたいということを教授に話し、学部長とも相談していた。
しかし、2年生の1学期、父が、転職すると言い出した。
勤続25年の節目を迎え、更に片道2時間半の通勤が、もう辛いとのことだった。
そう言われても、私はもう、短大に残る話をしている最中だし、研究したい、と言ったが、
悪いが、収入が減るだろうから、在学中はアルバイトしなくてもいいが、卒業したら働いてくれないか、と父に言われ、
渋々、了承した。
そして、教授に、事の経緯を話し、
短大を残ることは出来なかった。
そして、短大を卒業し、アルバイトを始めたが、
やはり漢詩の研究がしたい、という気持ちが消えることはなかった。
そこで、お金を貯めて、もう一度、短大に入り直そう、と考えた。
そこから、節約して、少しずつ、貯金を始めた。
10年計画で、30代後半までに、社会人枠で入れたら、と思っていた。
しかし、30代で、統合失調症を発症し、喘息とも重なって、リタイア。
短大受験も、諦めざるを得なかった。
両親には、社会人枠受験のことは言っていなかったし、
反対されるのは、目に見えていたから、
丁度良かったかもしれない。
働き始めて暫くして、父の仕事が決まり、
受験出来ると思っていたが、
その後も転職を繰り返すなど、
父の仕事が定まらず、収入も厳しい状態だった。
例え数万円でも、家に入れなければならない。
そうこうする内に、統合失調症になった。
これで、完全に、短大受験もなくなった。
ショックと、仕方ないという気持ちが混ざり合い、複雑な心境。
そこから、病気との、長い付き合いが始まった。
喘息は2歳からだ。
なかなか諦めきれなかった、漢詩の研究。
しかし、条件が揃わなければ、上手くいかないこともある。
今になって、分かったことだ。
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