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上の空のワケ。

待ち合わせの場所で、急ぎのLINEの返信してて気付かなかった私の目の前で手を振った、こうくん。


細い体にオーバーサイズのダウンジャケット、
珍しくメガネと、久しぶりに見たインダストリアルピアス。

今日もカンペキ。


部屋についていつものように抱き締められると
安心する。

ニットの背中に腕を回して、こうくんの肩に顎を乗せたら、深呼吸して目を閉じる。

身体を離すと両手で私のほっぺたを包んで
深くキスをしてくる。

毎度の事ながら、ファーストインプレッションをちょっとでもよくしたくて少し時間をかけて準備した私のヘアメイクはこの時点でもう、見るも無惨にぐちゃぐちゃだ。

まるで、

飼い主・もうやめなさいってば!

愛犬・ワンワンワンワン!

尻尾をちぎれるかと思うくらい振りながら飼い主の顔を舐めまくる愛犬のイメージ。

て、こんなこと本人に言ったら怒られちゃうわね。


ベッドでキスしたり、足と足を絡めあって
しつこいくらい抱き合ったり

そんな事をしてる間に

「お風呂できたか見てくるね」

と立ち上がったこうくんの

ぴょこっと寝癖がついた髪の毛の後ろ姿を

見て心の中で〝ふふっ”と笑ってしまう。



そしてこうくんも

「ほんと僕の下唇好きだよね」

自分の唇で、延々と彼のその部分の感触を
味わっている私のことを笑ってる。


〝あー、、、幸せだなぁ”


こうくんと会うと毎回そう感じるけど

お花畑の余韻から抜けられず

数日ぼんやりして

やらかしたりしてしまうのよ。

ほんと私ってダメな大人なんですよ笑



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