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親譲り

私の父は若い頃からモテる人だった。

長身で細身、 女性に優しくよく稼ぐ男。

母は浮気の心配が絶えなかったようだけれど、お金の面ではごく普通に不自由なく育ててくれた事を感謝している。

会社を経営していた父は仕事であちこち出かけていく事が多く、実家は田舎にあった為に事務所と称して実家より少し都会の便利な場所に部屋を借りていた。

父と母が出会ったのは、母の地元の大阪。

結婚して私が産まれてからしばらくは大阪で暮らしていたが、長男であったため祖父母から呼び戻された。

今でこそそんな時代じゃないと言えるけれど、当時は長男が実家に残ることが当たり前だったから抵抗出来なかったのかな。

あとはやっぱり祖父母が心配だったのもあると思う。

だけど元々は田舎に納まるような人ではなくて、きっといつも心の中で葛藤していたのだろうなぁと、大人になった今だから私も理解できる。

家庭も大事、でも本来の自分でいられる場所も大事。

子煩悩な人ではあったけれど家庭的ではなく、父は自分の居場所が欲しかったのかもしれないなぁ。

その部屋から帰らない事も度々あった。


最近その頃の事をよく思い出して、私は父親に似ているな、、とすごく思う。


ほんの昨年くらいまでは離婚したいとわりと本気で思っていて

でも、安心できる家庭という場所は私にとってはやっぱり必要で、結局なにがしたかったのかというとただ多くの事を経験したいという事で。

今いる環境が嫌だから若い男の子に行くという現実逃避とはちょっと違って、複数の世界を同時に生きたい、その欲が抑えられないから行動してしまっているというか。

だけどそれをなんのリスクも負わずにやるのは、やっぱり結局現実逃避な気がして、ずっと同じことをしていても同じところをただグルグルしているだけな気がして、そのグルグルから一歩外に出るために行動してみたり、このコロナ自粛期間はそういう自分を振り返ると良いきっかけになったかもしれない。

どんな形であれ自分の行動に責任を持ちたいし、何かがうまくいかなかった時に人のせいにしたくない。

なんのためにしているのか、それを自分の中でだけでも明らかにしておきたい。

私は私を放棄したくないのだ。

そんな事をここ最近ずっと考えていた。


なんだか全ての事がタイミングよく進んだ事だし、2020年下半期にかけてどんな風に過ごしていこうかなと思っているし、楽しみでもある。

5月ももうすぐ終わる。

早くみんなが会いたい人に自由で笑顔で会えるようになりますように。

私も恋出来る、好きになれる人に出会いたいなって思う。


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