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せんせい、せんせい、どれが先生? ~学校エッセイ❾

いい先生ってどんな先生のことだろう?
保護者からはともかく、生徒から見て。

明るくて楽しくて笑わせてくれる先生?
親身になってくれて介入してくるお節介な先生?
適度な距離を取り必要な時だけ役目を務めてくれる先生?
とにかく放任で必要と思われる時さえ寄ってきてくれない先生?
大きい声で呼びかける先生?
耳を澄まさないと聞こえない先生?
いつも冷静で落ち着いた先生?
チリチリ熱い先生?
愛想はないけれど授業の巧い先生?
授業は分かりやすいけれど冷たい先生?
よく雑談で授業を潰す先生?
ひいきと非ひいきが如実な先生?
生徒より大人に評価されることを重視する先生?
生徒受けが全てな先生?
主観的な先生?
客観的な先生?
自分もその幾つかに当てはまる。どの項目も長短両方になり得る。
そしてどの項目にも揶揄の調子が含まれる。

でもそのどの先生からも「救われた」生徒はいると思う。

最後は「教師も人間だから」「反面教師という役割がある」こういうフレーズで逃げを打てる。教師側からすれば。果たして逃げられているのか?

ともあれ、「いい先生」の定義が1つではないことが、先生という仕事の魅力の1つだと思う。
教室のドアを閉めてしまえばハイ密室の出来上がり、教師は一国一城の主、誰かが引きずり降ろさない限りは猿山の大将。それは怖ろしいことでもあるが。

働くOL(どうもOLは近年死語らしい)向けの雑誌(私にとって身近とはいえない種の雑誌)で転職特集が組まれ、さまざまな職種について説明されていたことがあった。

「教師は、自由度の高い職業」

と書いてあった。

今や社会や保護者の眼は厳しくもあるが、確かに自分の個性に努力を乗せて生徒にさまざまなメッセージを自由に伝えることはできる仕事だと思う。もちろん、ある程度は、ということだが。

50歳を手前にして教師をやめた私の言うことではないかもしれないが、教師が不足している昨今(私の若い時代は倍率が高くて本当に苦労したのに!)、教職に就くのを逡巡している人には、ぜひ一歩踏み出していただきたい。

そして「いい先生」であろうとしてみてほしいと思う。

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