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ワクチンとは



 新型コロナウィルスに対するワクチン接種が進むにつれ、世間ではワクチン接種そのものに対する賛否が取り沙汰されるようになったのは記憶に新しいところです。高齢者への接種に続き、より若い世代への接種も、自治体によりますが、進められるようになってきました。私も明日打ってきます。

 そこで今回は、今さらながら「ワクチンとは」という題で、ワクチンの歴史からワクチンの未来まで、可能な限り情報を収集して、情報が信用に足るものかどうかを含め、そのなんたるかをひもといていくことにします。


■ワクチンとはなにか

 ワクチンとは、病原体から作られ弱毒化または無毒化された抗原(こうげん。免疫応答を引き起こす分子または分子構造)などを投与することによって、感染症に対する免疫を獲得するための医薬品です。
 ウィルスを直接攻撃するものではなく、生体がもともと備えている免疫機能を人為的に応答させるためのもので、抗生物質の効かないウィルス性の感染症への対策として予防医学の観点から重視されています。
 ワクチンとは、事前に訓練を行うことにより(ワクチン接種で未知の抗原を既知のものとすることにより)、体内の免疫系に迎撃準備をさせるためのものと覚えておきましょう。また、基本的に感染を防ぐためのものではなく、感染した時に発症を防ぐためのもの、発症しても重症化させないためのものであることにも留意してください。治療薬ではありません。ワクチンは治療薬ではありません。発症してから投与して回復をはかるものではありません。


■ワクチンの起源と歴史

 古くは紀元前460〜400年のギリシャの歴史家、トゥキュディデスの著書「戦史」にアテネを襲った疫病の大規模な流行と、獲得免疫らしきものについての記述が見られます。
 紀元前の時代から、一度かかった伝染病には二度と罹患しないか、かかっても軽症で済むということは経験からわかっており、15世紀の中国では「人痘法」と呼ばれる、ヒトの膿やかさぶたを乾燥させた(弱毒化させた)ものを原料とする、記録が残る中では世界最古の予防接種が行われていました。
 そして1798年、イギリスの医学者エドワード・ジェンナーが「牛痘にかかった者は天然痘にかからない」という言い伝えの事象を研究し、牛痘を用いた天然痘予防の論文を発表します。彼はこの予防法を、ラテン語で牛を意味するvaccaからvaccinationと名づけました。「ワクチン」の名の由来です。
 ジェンナーの時代から降ること約100年後の19世紀、フランスのルイ・パスツールにより「弱毒化した病原体を接種することにより免疫を得られる」ことが発見され、ついに科学的なワクチン製造法が確立されました。これ以降、さまざまな病原体に対抗するためのワクチンがつくられ、伝染病予防の強力な武器として活躍しています。


■ワクチンの種類

 ワクチンの製造法が確立されて以降も、用途や適性に合わせたさまざまなワクチンの製造法が発見・実用化されています。2021年8月現在、7つの異なる製造法が存在します


・弱毒化ワクチン

 弱毒化ワクチンは、培養を繰り返して弱毒化したウィルスを選別して使うワクチンです。生きたウィルスそのものを使う方法なので「生ワクチン」とも呼ばれます。イメージとしてはバスタードソード、ウォーハンマー、バトルアックス、モーニングスターなどで武装したウィルスの中から、ひのきの棒を持ったウィルスを探して使う、と言えばよいでしょうか。
 メリットは自然に近い状態で免疫をつけられるため、免疫の持続期間が長く、接種回数が少なくて済むことです。
 デメリットは、いかに弱毒化してあるとはいえ、ウィルスそのものを投与している以上、副反応として病気の症状が出る可能性があることです。基礎疾患を持っている人や乳幼児、お年寄りなど、免疫力が低い人は場合によってはひのきの棒でもボコられてしまう、ということです。また、培養して選別するという工程を踏むため、それができる場所=製造メーカーは限られてしまい、さらに新型コロナウィルスの場合はバイオセーフティレベル3の(上から2番目に厳しい)施設でしか扱えないという点もあります。

●弱毒化ワクチン 例:BCG、麻しん、ポリオ、おたふく風邪など
●新型コロナウィルスワクチン開発企業:Coda Genix(アメリカ)など


・不活化ワクチン

 不活化ワクチンは、加熱する、紫外線を照射する、化学処理を施すなどして、感染・発症する能力を失わせたウィルスを使うワクチンです。いわばウィルスの死体──そもそもウィルスが生き物かどうかわかりませんが──で、感染能力が無くても免疫系は反応して抗体を作ります。たとえ死体でもボコれ!攻撃して記録に残せ!ということなのでしょうね。
 メリットは体内で増殖することがないので弱毒化ワクチンよりも安全性が高い(副反応が出にくい)こと。
 デメリットは効果が弱く、免疫の持続期間も短いので、複数回の接種が必要なこと。ワクチンの効果を高めるアジュバントと呼ばれる添加剤が必要になること。また、弱毒化ワクチンと同じく、ウィルスそのものを扱う関係上、限られた施設でしか開発できません。

●不活化ワクチン 例:インフルエンザ、ポリオ、日本脳炎、狂犬病、三種混合ワクチンなど
●新型コロナウィルスワクチン開発企業:KMバイオロジクス(日本)、Sinopharm(中国)など


・組み換えタンパク質ワクチン(サブユニットワクチンの1種)

 組換えタンパク質ワクチンは、ウィルス構造の一部であるタンパク質を、培養に適した細胞や酵母、菌などに遺伝子を転写(組み換え)することによって生産し、ワクチンとして使います。例えるならこのタンパク質はヒトの細胞にウィルスが侵入する際に「鍵」の役目を果たすものであり、免疫系はその鍵に対して反応し、記憶する、ということです。鍵を持っているやつがどんな姿でも、同じ鍵を持っていれば、前に来たやつだ!やれ!となるのでしょう。
 メリットはウィルス本体ではないので不活化ワクチンよりも安全性が高いこと、大量生産が可能なこと。
 デメリットは不活化ワクチンと同じく複数回の接種が必要なこと、アジュバントの添加が必要になること。

●組み換えタンパク質ワクチン 例:B型肝炎、百日咳、破傷風、帯状疱疹など
●新型コロナウィルスワクチン開発企業:Sanofi(フランス)、塩野義製薬(日本)、Novavax(アメリカ)など


・ウィルス様粒子ワクチン(VLPワクチン)

 ウィルス様粒子ワクチンはウィルスに似せた粒子を用いたワクチンです。Virus Like Particleの頭文字を取ってVLPワクチンとも呼ばれます。これはウィルスの外殻を構成するタンパク質を合成し、見た目がそっくりなダミーを作るようなもので、中身(遺伝子)が無いので感染・増殖の心配がありません。
 メリットはウィルスの遺伝子が入っていないので安全なこと。
 デメリットは開発に時間がかかり、現在のところ作成難度も高いことが挙げられます。

●ウィルス様粒子ワクチン 例:B型肝炎、子宮頸癌ワクチンなど
●新型コロナウィルスワクチン開発企業:medicago(カナダ・田辺製薬子会社)、阪大微生物病研究会(日本)など



 以上の4つの方法はいずれもウィルスそのものや、タンパク質の一部を用いたもので、承認されたワクチンの数も多く、今までに相当数の投与実績があるものです。開発までに数年から十数年かかることもあり、新たな感染症が発生した場合、即応するのが難しいというのが弱点でした。
 それに対し、以下に挙げる3つの方法は遺伝子を用いたワクチン製造法で、遺伝子工学の発展がもたらした新しい方法です。共通するのは、病原体の塩基配列を作る遺伝子(病原体そのものの遺伝子ではない)をなんらかの形で体内に投与し、体内で抗原となるタンパク質を作らせ、それを免疫系が察知して抗体を作る、という流れであること。そしてウィルスの培養やタンパク質の合成などに比べれば開発スピードが早いということが利点です。
 では、その3種にどういった違いがあるのかを見ていきましょう。


・ウィルスベクターワクチン

 ウィルスベクターワクチンは、人に対して無害か、または弱毒性のウィルスを、新型コロナウィルスの遺伝子の一部を運ぶベクター(運び屋)として利用する方式のワクチンです。ベクターウィルスが細胞内に侵入して、新型コロナウィルスの遺伝子から作られた抗原となるタンパク質を産生し、免疫を獲得するしくみです。
 メリットは、ものは違えど実際にウィルス感染しているので、高い効果が期待されること。
 デメリットは内蔵された遺伝子(免疫を作りたい本命の遺伝子)ではなく、ベクターとなったウィルスの免疫を獲得してしまう可能性が高いということ。基本的に複数回打つワクチンには向きません。

●ウィルスベクターワクチン 例:エボラ出血熱
●新型コロナウィルスワクチン開発企業:アストラゼネカ(イギリス)、ジョンソン&ジョンソン(アメリカ)、IDファーマ(日本)など


・DNAワクチン

 DNAワクチンは、新型コロナウィルスの抗原タンパク質を作る遺伝子を含むプラスミドDNAを投与して、免疫系を活性化させるワクチンです。筋肉注射で体内に入ったDNAは、いったんメッセンジャーRNA(mRNA)に転写されてから、細胞内で設計図通りウィルスのタンパク質の一部を作り始め、それを免疫系が察知して抗体を作るというメカニズムを取ります。重要なのは「染色体DNAではなくプラスミドDNA」であること。つまり、生殖に関わる染色体遺伝子が組み換えられることは無いということです。
 メリットは、DNAを複製することはウィルスの培養・選別などと比べれば簡単なので、開発スピードやコストの面で優れていること。比較的熱に強く、極低温保存の必要が無いこと。
 デメリットは体内で最適な免疫応答に必要な量のタンパク質を作れるかどうか未知数なこと、体内にDNAが残存する可能性があること。

●DNAワクチン 例:人間に対する承認薬は特別措置法に基づくもの以外は今のところ無し
●新型コロナウィルスワクチン開発企業:アンジェス(日本)、ザイダスカディラ(インド)など


・メッセンジャーRNAワクチン

  2021年6月現在、日本のワクチン接種の主力となっているのがこのメッセンジャーRNAワクチン(mRNAワクチン)です。DNAワクチンの項で「いったんメッセンジャーRNA(mRNA)に転写されてから、細胞内で設計図通りウィルスのタンパク質の一部を作り始め、それを免疫系が察知して抗体を作るというメカニズムを取ります」と書きましたが、DNAからmRNAへの転写と手間を省いたものがmRNAワクチンであり、現在多くの企業・組織が開発に力を入れています。mRNAはDNAの脆弱なコピーのようなもので、放っておくと20〜30分程度で崩壊してしまいます。このmRNA(ウィルスの「細胞を開ける鍵の部分」だけを合成したもの)を接種することにより免疫応答を起こし、抗体を産生するのが目的です。
 メリットはDNAワクチンと同じく開発スピードやコストの面で優れていること、mRNAからDNAへの逆転写は基本的にありえないため人体への残留が避けられること。
 デメリットは安定を保つために極低温保存が必要なこと。

●mRNAワクチン 例:人間に対する承認薬は特別措置法に基づくもの以外は今のところ無し
●新型コロナウィルスワクチン開発企業:モデルナ(アメリカ)、ファイザー / ビオンテック(アメリカ/ドイツ)、第一三共(日本)など


■ワクチン開発・承認までの流れ

1. 探索段階(創薬段階)(2~3年)
ワクチンの候補となる物質を決める段階。
2. 前臨床試験段階(3~5年)
培養した細胞や動物を使った実験を行う段階。
3. 臨床試験(3~7年)
人間に投与してみる段階。
第1相…百人以下に投与
第2相…数百人規模に投与
第3相…数千人規模に投与
4. 承認(1~2年)
臨床試験の結果を審議、決定。
5. 製造開始

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※画像は阪大微生物病研究会(BIKEN)より出典


 これが平時のワクチン開発・承認のプロセスです。とても長い時間をかけて販売にこぎつけているのがわかりますね。もちろんそれは安全性を最優先にしているからですが、ではなぜmRNAワクチンはこれほど早く開発・承認されているのでしょうか。


■mRNAワクチンの研究開発期間

 新しい技術だと思われがちなmRNAワクチンですが、その技術開発は30年ほど前に遡ることができます。変異するウィルスに即応するため、従来のワクチン製造法よりも早く、安全な方法を目指して開発されてきた製造法が、mRNAワクチンです。
 開発スピードの早さに懸念を持つ人がいますし、治験・承認の期間も従来のワクチンに比べて短いので、その安全性に懸念を示す人がいるのもわかります。しかしその技術は昨日今日出てきたわけではありません。長い期間を経て醸成されて今日ようやく日の目を見た、と言う方が正しいでしょう。
 また、莫大な人的ソース及び開発資金を投入すれば、それだけ開発期間は短縮できます。大工さん3人で住宅を建設するのと大工さん30人で建設するのとでは工期が違ってくるのと同じ理屈です。


■コロナウィルス群に対する経験の蓄積

 実は新型コロナウィルスは人類にとってまったくの未知のウィルスではありませんでした。21世紀に入ってから人類社会を襲ったSARS(Severe Acute Respiratory Syndrome:重症急性呼吸器症候群)MERS(Middle East Respiratory Syndrome:中東呼吸器症候群)もコロナウィルスの一群からもたらされたもので、この時にワクチン開発は間に合わなかったものの、「コロナウィルス」という大きなくくりとしては知見が集められていました。
 新型コロナウィルスの正式名称は、ウィルス名「SARSコロナウィルス2」病名「COVID19」です。
 この点では、──変な言い方かもしれませんが──運が良かったのではないかと思われます。


■特例承認

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の第14 条の3に基づく特例承認が行われています。特例承認とは同法の規定にもとづき、
(1)疾病のまん延防止等のために緊急の使用が必要
(2)当該医薬品の使用以外に適切な方法がない
(3)海外で販売等が認められている

という要件を満たす医薬品につき、承認申請資料のうち臨床試験以外のものを承認後の提出としても良いなどとして特例的な承認をする制度のこと。臨床試験以外のもの、です。特例承認であっても、臨床試験を経ないものは承認されず、接種することができません。つまり、2021年6月末現在、日本で接種されているワクチンは全て第3相の治験が終了して有効性と安全性の一応の効果が認められたワクチンだということです。

 しかし、従来の15年前後をかけて作成するワクチン製造法と違い、どうしても不利になる点があります。技術がいくら進歩しようと、人間の体のしくみはそれに合わせて高速で歳をとったりはしてはくれないのです。治験に数年単位をかけるのは、長いスパンで見て何が起こるかを観察し研究しているからに他ならず、こればかりは経過を見守るしかありません。それでも承認・接種に踏み切るのは、これまでの治験で有効性と安全性の一応の効果が認められ、また、新型コロナウィルスで公衆衛生的にも経済的にもダメージを受け続けるよりも、長期の観察はまだであっても新型のワクチンを接種するほうが得策だと判断したからです。このまま10年間、ワクチン無しで緊急事態宣言とその解除を繰り返すと想像してみてください。10年どころか数年で国が滅ぶと思いますよ。

 では、以上のことを踏まえて、ちまたにあふれる流言飛語を検証してゆきましょう。


■新型コロナウィルスワクチンQ&A

・副反応とはなにか。副作用とは違うのか
→ワクチンを接種した後に現れる、生体の反応に由来する、目的としていた作用とは違う事象が副反応。今回のワクチン接種では、接種部位の疼痛・発熱・しこりの発生・倦怠感・頭痛などが代表例として挙げられる。
 副作用とは、ワクチン以外の薬剤を摂取した時に現れる、目的としていた作用(症状の改善など)とは違う事象のこと(風邪薬を飲むと眠くなる、など)。本来は良し悪しの区別なく使える言葉だが、薬剤については望ましくない事象にあてはめて使うことが多い。

・有害な副反応が起きるということは、ワクチンは危険ではないのか
→副反応は、生体の防衛システムたる免疫が活性化することによって起こる現象であり、治験により確認されている。この副反応による不利益よりもワクチンを接種して標的とする抗原=病原体に対する免疫をつけることが公衆衛生において有用だと判断できる場合、ワクチン接種が実行される。また、科学に絶対は無く、100%の安全が保証されている薬剤は存在しないことにも留意されたし。

・ワクチン接種後に死者が出ている。ワクチンは危険ではないのか
→「ワクチン接種後の死亡」はあらゆる死因が含まれる。雷に打たれて感電死しても、車に撥ねられて事故死しても、風呂で溺れて溺死しても、それがワクチン接種後なら「ワクチン接種後の死亡」である。ワクチンが原因と考えられる死亡についてはそれがワクチンによるものと証明されなければならない。ワクチン接種とプラセボ(偽薬。ただの生理食塩水など)注射のランダム組分け・同数比較などを行い経過を観察する、加えて新型コロナウィルスが蔓延する前の同時期・同年代の死者数・死因をワクチン接種後の死者数・死因と比較することが必要になる。中長期的な経過観察はまだこれからであることは忘れてはならない。
 不安を煽る輩は「ワクチン接種後に◯人死亡」とだけ書き、「ワクチンが原因と考えられる死亡とその根拠」を明示しないのですぐ見分けがつく。なんの科学的根拠も無く「ワクチン接種後に死んだんだから、どう考えてもワクチンが原因」と言う輩には特に注意。それは論理と思考の放棄であるか、センセーショナルな言葉や言説を用いることにより人心を惑わし、何らかの利益(売名、PV数稼ぎ、広告収入など)を得る目的である可能性がある。

・不正出血、月経の変化はあるの?
→複数の例が報告されている。ワクチンとの因果関係は調査中。

・不妊の恐れは?
→今のところ不妊の根拠となるデータは無いが、データの母数がまだ少ないことには注意されたし。

・流産の恐れがあるのか?
データ収集中。6月末段階で新型コロナウィルスのパンデミック前と同じ数値。検証継続中。


■まとめ

 ワクチンを打つ、打たないは、最終的に個人の判断に委ねられます。にもかかわらず国がワクチン接種を奨励するのは、集団免疫を獲得させることが第一義にあると考えられます。さまざまな理由からワクチンを打つことができない人の周りを、ワクチン接種者=免疫獲得者で囲んでしまえば、エアロゾル感染(空気感染)でもない限り、周りの人の体内でウィルスは撃滅されて、非ワクチン接種者を結果として守ることができる、という考えのもとで行われているのです。

 確かに中長期的な観察による結果は出ていません。しかし、その中長期的な観察とは、数多の人が実際に打ってみないとわからないのです。科学は──特に薬医学は、時として大勢の人による協力を必要とします。安全であるとわかったあとで打ちたい、と言うのは、自分以外の大勢が人体実験したあとで、おいしいところだけ持っていきたいと声高に叫ぶのと同義です。

 しかし、それとて悪ではありません。感染症で発症するのと、ワクチン接種の副反応が出るのとでどちらが苦しむことになるのか、先のことはいつでも未知数だからです。
 もし、全員が接種せず、新型コロナウィルスで全滅してしまったら?
 もし、全員が接種して、未知の重篤な副反応で全滅してしまったら?
 それを防ぐためにも、接種しない群はある程度残す必要があると、私は考えます。もちろん、今、接種を進めているワクチンは、中長期的な観察が行えていないという点を除けば、どれも安全性が見込まれるものばかりです。そうでなければワクチンとして承認されず、危険だとするならその証明が必要になります。

 繰り返しになりますが、科学に絶対はありません。100%安全なものなどこの世に存在しない、それを踏まえて、各ワクチンの仕組みや作用機序を学び、正しい知識を学ぶように努めましょう。
 危機の時代だからこそ、科学的思考に基づかない間違った情報や、意図した通りに人を動かそうとする輩のデマを見抜く目を、いつも以上に養わなければなりません。


 正しく学んで、正しく恐れよ。


 今こそこの言葉が意味を持つ時代はないでしょう。


 では、私はワクチンを打った被験体になりに、明日接種会場に赴きます。私のデータが、次代の礎になりますように!(副反応楽しみ〜!!!)



 今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 それでは、ごきげんよう。



参考サイト様

新型コロナワクチンについて/首相官邸
新型コロナワクチンについて/厚生労働省
新型コロナワクチンの有効性と安全性について/感染症予防接種ナビ

健康・医療新型コロナウイルス感染症のワクチンの詳細について/国立保健医療科学院
ワクチンと治療薬/大阪大学微生物病研究所
ワクチンとは/ワクチン・アジュバント研究センター

ワクチンとは?/Media Close-up Report

新型コロナウィルス感染症・ワクチン開発の歴史/医療法人社団至心医療会  臨床呼吸器疾患研究所 呼吸ケアクリニック東京
COVID-19新型コロナウイルスワクチンについて知っておくべき知識/医療法人社団 仁悠会 しながわ内科・循環器クリニック
新型コロナワクチン(mRNAワクチン)について(1)/医療法人社団 亮山会 わかば耳鼻咽喉科

ワクチンの開発はとても大変だし時間もかかる/医療法人 翔光会 産婦人科 にしじまクリニック

VPDを知って、子供を守ろう/KNOW-VPD

ワクチンの歴史/ROTARY

保育に必要な予防接種の知識/公益財団法人 母子健康協会

新型コロナウイルスのワクチンは、いつできる?/WIRED

7種類あるって知ってた?「新型コロナワクチン」でいま知っておきたいこと/BUSINESS INSIDER
DNA・mRNA・ベクター… 多様なワクチンの違いは?/日経バイオテク
ワクチン開発はここまで進んでいる 日本人の遺伝子に適合したワクチンや治療薬を開発/糖尿病ネットワーク
DNAワクチンの概要と安全性評価戦略/日本毒性学会学術年会
期待が高まるDNAワクチン/一般社団法人 予防衛生協会
プラスミド/研究.net
DNAからmRNAへ転写される反応のメカニズムを世界で初めて解明 /Spring-8 大型放射光施設



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