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ニュースつぶやき:「紀元節」

 建国記念の日を寿ぐ話。

 本来、建国記念の日は、もともと「紀元節」と呼ばれる、初代天皇である神武天皇が即位した記念の日でした。なので今日を持って皇紀(神武天皇即位紀元)2684年となります。



 今日こんにちでは紀元というとキリスト教歴である西暦を指して使うことも多いのですけど、戦中(大東亜戦争)まではこちらの神武天皇即位紀元を指していたのです。戦後、GHQによって削除されたのは、日本人の歴史の起源を奪うことによって国民の無力感を煽ろうとしたのでしょうか。しかし、紀元節は1967年に佐藤栄作内閣によって建国記念の日として復活したのです。

 この建国記念の日、紀元節でいつも言われるのはたいてい「神武天皇は実在したのか?」ということと「本当にこの日が即位日なのか?」ということですわね。

 純粋に歴史学として考えると、かなりファンタジー寄りな話です。実際には、数多の為政者の中で力あるおおきみがこの列島を束ね、形だけでも統治を及ぼした時がその日だと思います。日本は神話で国家存続の正当性を他国にゴリ押ししているのではないとはいえ、歴史と神話をごっちゃにしていることで戦争をしている国が現在進行形で存在していることを考えると、建国記念の日や紀元節のなんたるかを知らずに、あるいはこの説に盲従してこの日を過ごすことには危うさを感じますわ。

 神話と歴史の境の日、それを学ぶ日だとわたくしはとらえております。それを踏まえて、国の誕生を寿ことほぎ、繁栄をよろこぶ──長きにわたる歴史を見つめれば、この国の民としての存在意味、自身のルーツに対する誇りや疑念、それこそ人によって違う感情を覚えることでしょう。

 日本人としてるとはどういうことか。

 そういうことを考えるのに、神武天皇が実在したかどうかとか、即位したのが本当にこの日なのかとかは、言ってしまえば味つけのようなものにすぎないとわたくしは思っておりますの。ただ盲従と頭ごなしの否定にさえ気をつければ、それでよいと思います。

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