クリスマスに読みたい本【25】
今日の1冊は、これ。「クリスマスの天使」です。
物語は、12月18日から始まります。
今日と同じ日付だとわくわくしながら読み進めると……、あれ?予想外の展開。
表紙のイラストとタイトルから、静謐で美しいお話かと思っていたのですが、ぜんぜん違いました。
物語の冒頭で、主人公エリックは「ぞっとするようなクリスマス」と言っています。
実際、物語はぞっとするような展開へと進んでいきます。
クリスマス休暇中のエリックは、両親は仕事で忙しく、友達は旅行や病気で一緒に遊べなくて退屈で退屈で「助けて!」と叫びたくなるほど。
そんなエリックのもとを訪れたのは、不気味な害虫駆除業者のアンジェ・ガブリエル。
「おれは殺しが好きなんだ」というアンジェは、ねずみを目の敵にしていて、エリックが見つけたねずみを殺すため、エリックを補佐官に任命します。
どうせすることもないし、と引き受けたエリックは、けれどしだいにねずみを殺すのが嫌になり、アンジェにそう伝えます。
するとアンジェは「俺はねずみ以上に裏切り者が嫌いなんだ」といい、エリックは付け狙われることに……。
タイトルの「天使」=アンジェならひどすぎる!と思って読んでいたのですが、ラストはクリスマスらしい展開。
とはいえ、その前の不気味さが残っていて、読後もほんわかした気分にはなれません。
イラストがまたこわい!
でも、面白かったと思います。
読了は、50分くらい。
小学校高学年くらいから読めると思います。
ちょっとこわいお話が好きな子なら、楽しいかも。
※下のメモをつくっていて、原著タイトルを直訳すると「クリスマスのねずみ」だと気づきました。
ねずみづくしだし、エリックもアンジェにねずみ扱いされて狙われるし、納得のいくタイトルです。
でも、「クリスマスの天使」も最後まで読むと納得だったので、訳者の金原瑞人さんのさすがのうまさにうなってしまいます。
--------------*----------------------*------------------------------------*-------【本メモ】
タイトル: クリスマスの天使
作: アヴィ (Avi, 1937-)
絵: 塩田, 雅紀 (1969-)
訳: 金原, 瑞人 (1954-)
PUB: 東京 : 講談社 , 2002.11
PHYS:157p ; 22cm
VT:OR:The Christmas rat
NOTE:原著の著作権年: c2000
PTBL:講談社文学の扉
ISBN:4062115964
-----------------------------*--------------------------------*-------------
*タイトル画像は「みんなのフォロギャラリー」からお借りしました。
ありがとうございます。
*表紙画像の著作権が心配なので、Amazonのリンクを貼っています。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?