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子ども時代のことが思い出せない【飛ぶ教室】ケストナー著

「なんか懐かしい本があるね」

図書館から借りてきた私に夫が話しかけてきました。
小学生のときも読んだらしいですが、大学の研究室にも置いていたそうです。

これまた夫の同級生に「懐かしいものがあるね」と話しかけられたそうです。

「時には、こういう本を読みたくなるんだよ」
夫は返したそうです。

メロディアスライブラリー2016.12.18放送。



・自分の若いときのことを忘れる大人

どうして大人は自分の若いときのことをすっかり忘れてしまうのだろうか。子どもだって悲しくて不幸になることがあるのに、大人になると、さっぱり忘れてしまっている。(この機会に心からお願いしたい。子ども時代をけっして忘れないでもらいたい。どうか約束してもらいたい)

飛ぶ教室 p18

前書きにこんなことが書いてありました。

今となっては大したことがないけど、
当時は一大事だったことは何だろうか。
驚くほど思い出せません。

ジョニーは両親に捨てられ、
マルティンは貧しい家庭に育ちました。

それでも、子どもたちに対して
「大したことはないでしょう」と
切り捨てないようにしようと思いました。
本人にとっては深刻なことかもしれないから。

・クリスマスに帰省を諦めたマルティン

マルティンの家は貧しかったため、
クリスマスに帰省する交通費をもらえませんでした。

それを他の生徒や先生に決して話そうとしませんでした。
惨めな気分になるからでしょう。

帰省していく他の生徒とは対照的に
彼は学校に残ります。

困っていても、「助けて」とはなかなか言えるものではないと感じました。

・手を差し伸べた大人

帰省しないマルティンの様子を見て
正義さん(ヨハン・ベーク先生)は、
帰省する交通費がないことに気づきます。

この出来事の前に正義さんは、
長年の友人である禁煙さん(ローベルト・ウトホフト、医師)と再会しました。
禁煙さんは、生徒から尊敬されていました。

2人の関係に気づいたジョニーが、
引き合わせようとしました。
マルティンたちも一緒でした。

そのお礼もあるのか、今度は正義さんがマルティンに手を差し伸べました。

・感想

それにしても、正義さんと禁煙さんの関係を見破ったジョニーは大したものだと思いました。

ジョニーは、クリスマス劇の「飛ぶ教室」の脚本を作りました。
脚本を作れる作家は、着眼点が違うのでしょうか。

今の時期、クリスマスが近づいています。
クリスマス劇があったり、
クリスマスの時期に帰省したり、
タイムリーな内容と思いました。

以上、ちえでした。
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