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お金はないが活力はある【ラ・ボエーム】アンリ・ミュルジェール著

「貧しいけど、なんとかして
やりたいことを実行に移してる気がする」

若き芸術家4人に対して、こう思いました。

2022.11.6のメロディアスライブラリー放送。

こちらの作品は、
多くのオペラの作品が影響を受けました。

・「ラ・ボエーム」…イタリアの作曲家プッチーニが手掛けた歌劇
・「ムーラン・ルージュ」…19世紀末のパリに移したのが2001年のミュージカル映画。
・「レント」…さらにブロードウェイの人気ミュージカル

私自身は、オペラについて
全くて言っていいほど知識がなく、
放送の題材になって初めて知ったくらいです。
何も予備知識のないまま読みました。


・ボエーム結成

話のはじめに、家賃を滞納して
家を追い出される音楽家ショナールが登場。

お金を工面しなければ、
今日中にも家を追い出されるのに、
それを気にせず居酒屋に行きました。

そこで出会った哲学者のコリーヌと意気投合。
次に行ったカフェで詩人のロドルフと出会います。
3人でショナールの家に行ったら、
すでに別の人が住んでいました。
新しい住民はマルセルという画家です。

この4人が意気投合し、ラ・ボエーム結成。
短編集は彼らのエピソードです。

・ラジオ放送で取り上げられたエピソード

ラジオの放送中では、ロドルフと交際していたミミとの話。2人は別れたり、くっついたりを繰り返していました。

ミミがお金持ちの子爵のもとに行ったのが
決定的な別れになりました。

別れてしばらくは引きずってたロドルフ。
仲間たちからは「別れてよかったよ」と言われてました。

裕福な子爵のもとに行ったミミですが、
その後、ロドルフの元へ戻ってきました。
ミミは病気で、先は長くなさそうです。

そんな様子を見た仲間たちが
自分の私物を売ってお金の工面をしたり、
医師を手配したりしました。
しかし、ミミは治療の甲斐もなく、
死んでしまいました。

その後4人は世に出る足がかりを得ました。
ロドルフは批評欄に取り上げられるように。
ショナールの曲は音楽会で歌われるようになり、
コリーヌは遺産を相続しました。

ミミの死で4人の青春時代が、
終わりを告げたようです。

・感想

パーティに参加したり、
恋人にプレゼントしたりするために、
仕事を得たり、お金を工面したり、
何かしらの行動を起こしました。
恋人たちとも、
別れたり、くっついたり、忙しそうと感じました。

「お金がないから諦める」が
通じない人たちという印象を持ちました。

訳者の人のセンスもあると思いますが、
言葉使いに美しさを感じました。
お気に入りの言葉はこちらです。

「でもさ、倹約ってのは金が足りてるからできるんだぜ」

ラ・ボエーム p163

一般的に倹約と聞くと、お金に余裕のない人がやるイメージがあります。
「余裕があるからできる」という発想はありませんでした。

確かに、節約しないといけない状態の人こそ、
更に出費がかさむイメージがあります。
泣きっ面に蜂状態です。

足りてるからできるは、
真理かもしれないと感じました。

以上、ちえでした。
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